データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

はじめての方へ

このページは初めての方に向けた自己紹介とその他諸々のページです。よしなに。




自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

lucies.hatenablog.com




↓それでは最新記事をどうぞ↓



AEAES:AIDMA、AISASの通じない世界の購買行動モデル考えてみた

なんか数日前に図らずとも珍しくちょいバズみたいになってしまったのだけど、ブログにもストックしておこうと思う。

 

 

 

これは数年前のad techで聞いたコカ・コーラの話と、先日講演を聞いた某飲食業の話が同じことを言ってたので面白いねってだけの話なんですけど。

どちらも共通して、TVで認知→Webで刈り取りというよく代理店が提案してくる手法を使っていなくて、むしろPR→SNS→TVの順で、TVを最後に持ってくるんですよね。

 

最近は戦略PRというのがなんか流行りみたいですけど、まあ流行ってるよねって言って終わらせるのは簡単で。むしろなんで流行ってるのかとかをちゃんと考えていくと広告屋としてはなかなか難しい局面だなあと思うわけです。私は広告屋なんですけど。 

 

たぶん一昔前だったらTVで一気に垂直立ち上げ!みたいのが活きたのだと思うんだけど。そしてそういう手法が消えたわけじゃないとも思うのだけど。例えばPayPayは場を温める前に広告も販促も同時に一気に立ち上げてたし。けど、多くの商品では方法を変えたほうがいい部分があるなぁと思うんですよね。

 

あえてAIDMAとかAISASに対抗して書くなら、AEAESとかだろうか。

Attention (認知)

Expectation (期待)

Action (行動)

Emotion (感動)

Share (共有)

 

このモデルの肝は、Interestという比較的弱い言葉ではなく、Expectationというもっと強くて、未来志向の言葉を使っているところ。ただ興味を持たせるだけだと消費財とか相手には弱くて、一回買ってみたい、一回試してみたいという期待感を煽らないといけない。当然だけど商品は一回買ってみようと思うくらいの価格帯である必要があるし、一回試してみようと思えるくらい各チャネル上での施策も練らなければいけない。

 

もう一つは、なんでもかんでもShareしてくれるほど甘くなくなっているので、Emotionという言葉を挟んでいること。いかに買ったユーザーの心を揺さぶるか。エモいという若者言葉が取り沙汰されて久しいので敢えて入れてるところもある。ついついShareしたくなるようなパッケージデザインだったり、体験が必要。

 

マクドナルドの件で言うと、例えば10個に1個だけパッケージが違う商品を出していたり、PayPay も10人に1人のくじが当たった人はどんどんシェアしていた。ハートのピノとかみんなガンガンシェアしてますよね。

 

で、もう少し商材との相性を深堀していくと。

 

例えばPayPayがそうだけど、ネットワーク外部性が効くタイプの新規サービスは一気に垂直立ち上げが重要なんだと思う。加盟店もユーザーも一気に増やさないと、あまり流行ってない感が先に出てしまって競合に取られてしまう。現に、Suica以降の後発が全く覇権を取れていないのがこの領域だったり。だからこそPayPayのやり方は広げ方としてとても正しいと思っている。

 

逆に、マクドナルドとかコカ・コーラみたいな、ある程度知名度があって販売前に話題が作れる商品は垂直立ち上げよりもバズで温める手法が効く。AIDMAとかAISASだと不十分なのはこういうブランドの、特に新商品だったり販促キャンペーンだったり、イベントみたいなものについて。

 

イベントとかは特にそうで、つい今週も僕はライブのチケットを取りそびれたのだけれど、当日にいくらバズっても遅いんですよね。だからこそ、事前に如何に話題を作れるかが鍵になる。戦略PRが生きるのはこの領域。

 

それから、手法レベルでShareについて補足しておくと。きっちりShareされるコンテンツさえ作り出せたら、あとはTVのニュースとか大手メディアは勝手に取り上げてくれるんですよね。だから、Attentionを目的とした広告はやらなくても良くなる。

 

逆に言うと、いかにShareされるコンテンツを社内で生み出せるか、というセンスはかなり鍵になるところで、そういうクリエイター人材の需要はどんとん高まるのではないかと。広告打つだけならどんどん自動化されてくしね。

 

このあたりの手法で面白いと思っているのはもう一つ、アーリーアダプターまではマス広告無しで到達できるのではないかという話。というか仮説。

 

あくまで最後のShareをする人、そのShareを見る人は商品のアーリーアダプターに過ぎなくて。話題になったあとテレビが取り上げるかどうか、というのがキャズムを超えられるかどうかの指標として使えそうだなと思ってること。逆に、取り上げられないキャンペーンやイベントを切ることもできそうだな、と。

 

とまあ色々書いてはみたものの、クリエイティブが絡んでくる以上、数撃ちゃ当たる作戦を取るしか方法がないのも事実だと思うので。とにかく実験をたくさんして知見をたくさんためながらやるしかないのですけどね。

 

なんかあんまりきれいにまとまらなかったんだけど、この辺はもう少し整理して深掘りして考える価値があるなあ。

https://4.bp.blogspot.com/--7suW4vUfSo/Uku-_KYnOVI/AAAAAAAAYrY/qzY1eWq-C3Q/s800/can_cola.png