データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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採用者は職務経歴書のどこを見てるのか

こういう事どこまで書いていいのかよくわからんけど書いてみるやつ。

あくまで私見です。"弊社"でも"一般論"でもなく、"私は"こう考えてる、というやつですね。

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導入

前回の記事でもちょこっと書いたんだけど、最近は採用活動をがっつりやっております。で、採用活動がっつりやってると当然大量の職務経歴書というやつを読むんですけど。最初は結構手探り感あったのが、だいぶコツをつかんできて判断が構造化できてきたので、今日はそのあたりの話をちょっと書いてみようと思います。

 

職務経歴書って、採用をしてる側とか転職エージェントみたいな人たちはいっぱい見てるんだろうけど、そういう経験無いとなかなか自分の経歴書が良いのかどうかってわからないよね。

 

大前提として、私はデータアナリストの採用をやっていて、だいたい"半年後に戦力化するか"という視点で見ております。

 

大体書類を見るときの視点は下記の3点でほぼ全部って感じです。

  • 書類が構造化されているか
  • 最低限のハードスキルがあるか
  • 経歴や年収に見合った成果があるか

ここにプラスして、

  • 学習能力が高いか

というのが見えてくると書類の時点で加点がつくようなイメージですかね。順番に説明します。

 

書類が構造化されているか

職務経歴書ってかなり自由演技なので、工夫のポイントは色々ある。世の中に落ちてるフォーマットもたくさんあるし、そういうのでも十分っちゃ十分なんだけど。最低限の論理構造ができていないと、割とサクッと足切りになってしまう。

 

というのも、うちが分析官を募集してるから余計になんだけれど、この手の文書の論理構造ができていない人間が、分析をロジカルにできるとはちょっと思えないんですよね。

 

特にだめな例は

  • 雑多な文章の羅列
  • タスクと成果が切り分けられていない
  • 抽象的すぎて何が言いたいかわからない
  • 具体的すぎて重要なことがわからない

とかとか。

スキル以前にここで足切りになるケースは想定してたよりも多いです。

 

面接官側のフレームワークというのがあって

mitsucari.com

採用側はどうせこういうことを聞いてくるので、書類も最初からこういう形で書いておいたりするとよいです。多分。

Situation(どんな状況だったのか)
・状況、環境、背景、目標、きっかけ、チーム体制など
Task(どんな課題・役割を担ったのか)
・課題、職務、任務、役割、難易度など
Action(具体的にどんな行動を取って)
・具体的な行動、その理由、周囲からの助言、創意工夫、軌道修正など
Result(どんな結果・成果を導き出したか)
・結果、成果、学んだこと、いま振り返って改善すべきことなど

ありがちなのは、タスクしか書いてない、とか、アクションしか書いてない、とか。

 

SituationやResultがないと、背景とか課題とかを理解せずにタスクをこなすだけのタイプに見えてしまうので、ここはきっちり書いておくのが良いです。

 

最低限のハードスキルがあるか

意外とハードスキルはあとからでも身につくので、ここは最低限しか見てなかったりします。それよりは、あとで書くけど学習能力の高さの方があれば結構どうにかなっちゃうと思っている。

 

うちの場合はSQLが最低限、データハンドリングができないと分析官としてはしんどいので、SQLでゴリゴリのデータハンドリングができるか、Pythonでハンドリングができるか、というあたりが足切りポイント。

 

ある程度モダンな環境で分析経験をしてれば自然と身についてる範囲だけれど、主な分析ツールはExcelです、だとちょっとつらい。最近だと色んなツールが充実してるので、昔からあるSASとかSAPPとかに加えてやれTeradata使ってましたとか、DataRobot使ってましたとか結構あるんだけど、そういうのだけだとちょっとつらい。

 

基本的になにかのツールに依存しないと仕事ができない、という人を採用するのは結構厳しい。自分が使ってるツールはどこまでが一般的なツールなのか、はちょっと意識しておくと良いです。面接で、「弊社ではそのツールが使えませんがどうしますか?」というのは結構聞きます。

 

経歴や年収に見合った成果があるか

最初に構造化の話を書いたけれど、構造化がちゃんとできていれば問題なく書かれているはず。ようやく経歴の中身に入ります。

 

若いうち、年収の低いうちはそんなに成果の部分は求めないです。書いてあるに越したことは無いけれど、変に盛るよりは冷静に、自分の貢献によるものなのか仲間の貢献によるものなのかが書かれている方が良いです。若い人については、これよりも後述する学習能力のほうが重要。

 

歩い程度年齢や年収が高くなってくると成果が書かれてないとちょっとしんどいです。個人的には直近5年くらいを目安に見てます。直近5年を見たときに成果といえるような成果が出ていないと見送ります。

 

結構分析屋の世界って成果を書くの難しいんだけど、構造化のところで書いたようなSituationと、分析によって何が明らかになったのかが書かれればOK、ある程度年収高い人だったらそれがどうビジネスに活かされたのか、まで書いて欲しい感じかな。

 

学習能力

これは自己PRあたりに書いておいて欲しいところ。採用っていうのは中途だろうが新卒だろうが、どうしても入社してから頭数になるまでには数ヶ月くらいはかかる。その上、うちみたいなところは市場環境の変化も大きいので、学習能力が高い、ラーニングアジリティが高い、というのは非常に強みになります。

 

www.enfac.co.jp

 

これを経歴の中で書くのは結構文章がちらかるのでおすすめしないけれど、自己PRの中ではかなり書いて欲しいポイントだったりします。ただし、自己PRってお気持ち表明みたいになりがちだったりするので、あくまで事実として短期間で学んで成果を出したような経験があればポイントはかなり高いです。

 

経歴が多少弱くてもここが強ければ結構ワクワクする。

 

 

逆に書いても大して意味がないこと

基本的にお気持ちの類いは書いても意味がないし、むしろ文章を冗長にするだけなので無いほうがいいくらいです。

 

たとえば社風や理念への共感、とか。新卒採用だとこういうの書きがちだけど、正直書かれても困る感じ。社風や理念への共感が成果をもたらすのはそうだけれど、それだけで成果が出るほど甘くはないのです。書くのであれば、「こういう行動がこういう成果をもたらしました、これは社風にあってると思います」って感じかな。

いずれにせよ経歴の中で書くよりは自己PRの部分で書いてもいいいけどまあこういうの書いちゃうと他社で使いにくくなるしあんまりおすすめはしない。

 

他にも若い人は書きがちなんだけど、「何を学びたいか」というのもあんまり書かれてもどうしようもない感じ。書くのであれば「何を学んできたか」が先で、何を学びたいかはあとですね。何かを学んできた人であれば今後も学んでくれるでしょうし、何も学んでこなかった人の学びたい気持ちに価値は無いです。

 

この手の事を書くのであれば「何かを学んできた結果、何が足りないのかを自覚した」だから「次はこれを学びたい」というのは結構良いですね。スキルの自己認識がちゃんとできている、というのは学習能力を測るのに重要なポイントだったりするので、ここは結構ポイント高いです。

 

まとめ

ということで、最初に書いたとおり

  • 書類が構造化されているか
  • 最低限のハードスキルがあるか
  • 経歴や年収に見合った成果があるか
  • 学習能力が高いか

あたりを見ているので、その辺をわかりやすく書いてくれると助かるなあという感じです。書類見るのも結構疲れるので、良い書類に巡り会えると気持ちが良いですね。

 

個人的にはこういう書類を書くという作業は、転職活動をするしないに関わらずやってみると、スキルや経験の棚卸しになるのでおすすめです。意外と書いてみると薄っぺらくなっちゃったりするので。

 

 

ということで今日書きたいのはこのくらいです。

 

 

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