GAFAの真似事をする人たち
最近増えてる気がするんですよね。というか増えてるんですよ、私の観測範囲では。
別にこれはGAFAに限った話ではないのだけど。競合をリサーチして同質化をしながら機能やサービスをアップデートしていくのは大事です。とても大事です。
でも、なんか真似方が間違ってることが結構あると思っていて。なんか表層的になってしまうんですよね。
なんで表層的になってしまうのかを考えると、戦略や戦術を真似するのは簡単だけどその根本にある価値観を真似するのは困難である、という事に尽きるのかな、と。
7Sってあるじゃないですか。マッキンゼーのフレームワーク。あれがすごく良くできているな、と思ったのがここで。
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-12513.html
StrategyとかSystemは変えるのが比較的容易なので、他社の真似をするときってここから真似しがちなんだけど。
本来的には、Shared Valueがあって、そこにStyleやStaffが追随し、Skillが整ったあとに戦略がある、というか。ソフトの4Sのほうが変えるのが難しいのでハードの3Sをソフトに追随せざるを得ないのが実情なのだと思う。
これはビジョナリーカンパニー(ジム・コリンズ)でもほぼ同じことを言っていて、ビジョナリーカンパニーでは「適切な人をバスに乗せてからどこに行くかを決める会社が伸びる」と言ってるんですよね。
この順番を間違えて戦略戦術を真似すると、StaffとStrategyのミスマッチが起きた状態が生まれる。まずStaff が弱くなっていって、当然Staffが弱体化するというのはSkillも同時に弱くなっていき、経営基盤そのものが揺らいでいくのだなぁと思うのです。
Shared ValueやStyleを変えるのは10年単位の時間が必要になるので、普通の会社は変わる前にStaff が抜けて結果が出なくなり、社長が入れ替わるほうがスパンが短くなるのだろう。
そして厄介なことにこのソフトの4Sというのはバランスシートに書かれない資産なので、資産が目減りしていることに気づけないんだなあと思うんですよね。現場感の薄い経営陣には殆ど見えず、当然株主にはもっと見えない。頭数くらいしかわからない。
ということで、真似をするのは別にいいのだけれど自社向けにローカライズするのはとても重要で、ローカライズする際には自社のソフト資産をよく考えてからやらないといけないなぁというのが最近の学び。
泥舟の上でそんな事を考える今日このごろ、よそはよそ、うちはうち、隣の芝は隣の芝として生きていきたい所存。