【読書記録】「原因と結果」の経済学
薦められたので読んでみましたやつ。
データ分析の入門書としてはとても良いやつ、という感じです。著者は教育分析の専門家の中室先生と医療分析の専門家の津川先生(@yusuke_tsugawa)。統計的因果推論をちゃんと勉強しようと思っていたところ、これを読んどくといいよ、とTwitter上で薦められ、そのやり取りを津川先生にふぁぼられた挙句フォローまでしていただいたので読まざるをえなくなったのが最初。
中身は数字とか計算のほとんどない、どちらかというとグラフの読み方としてこう読むのが正しい、というのが書かれている感じ。「分析とは比較である」というのはヤフーの安宅さん(@kaz_ataka)の著書/記事には高確率で出て来る言葉だけれど(これとかこれとか)、じゃあ比較とはどういうことか、何と何をどう比較するのが正しいのか?がとてもわかりやすく解説されている。
実際に分析の現場にいると、この何と何をどう比較するかという「分析設計」の部分というのは結構素養に差があるといいますか。ちゃんと論理立てて組み立てられる人とそうじゃない人の差って思っている以上にあるんですよね。その「そうじゃない人」をある一定のレベルに押し上げるために、結構良い本なのではないかなぁと思います。
逆に、ある程度そういう現場で活躍している人からすると当たり前というか、物足りなさみたいなものはあるかもしれない。ので、まあ確認程度に流し読む、という読み方になるのかもしれない。自分的には自分の分析の正しさを確認しつつ、これをどうやって周りに伝えるかを考える本になりましたね。
最近色んな本読んでて思ってるんだけどやっぱちゃんとした学者さんの書いた本は質が高いので読んでて勉強になることは多くて良いですね。良書です。