データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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【読書記録】「これからの世界」で働く君たちへ

 

伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへ

伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへ

 

 落合陽一の本とタイトルがかぶるけど違うやつです。

 

これも長らく積んであった本。山本さんの存在を初めて知ったのは、大学院の時の授業だったのだけれど。その講義が滅茶苦茶強烈で、エネルギッシュなのがすごく印象的でして。後日、家の近くの本屋でこの本を見つけて即買いしたんですよね。即買いした割に4年ほど寝かせたわけですけれど。

 

本の中身も結構インパクトがあって、「ジョブズはトリッキーではない、基本に忠実だったんだ」と、前書きで述べている時点で、あ、この本を書けるのはこの人だけだな、って感じがしてとても良かった。

 

中身は、現代の、「グローバル化済の世の中でどう戦うか」という感じ。タイトル通り40個の小テーマで、現代の働き方、グローバルの価値観と日本の価値観の違いとかについて語られている。

 

これは結構ずっと思っていることなのだけれど、グローバル化だ!って言われ始めてから20年、未だに日本がグローバル化しないのは英語力とかビジネススキルの問題じゃないと思うんですよね。

 というツイートもしたんですけど。

 

例えば労働時間に対する考え方とか。例えばLGBTに対する考え方とか。例えば喫煙に対する考え方とか。もちろん生産性に対する考え方も。細かい日本の文化、価値観の一つ一つが全部、グローバルで戦う環境になっていないんですよね。

 

守るべき伝統と、そうじゃないもの。既得権益と、自由競争の問題。国内のそういう、「変わりたくない人たち」「変わると損をする(と思っている)人たち」が、日本を今の、うっすい希望と無気力と諦観に包んだ状態にしていると思うんですよ。

 

変化を恐れるのではなく、変化しない事を恐れ。今あるものを失う事よりも、新しいものが手に入らなくなる事を恐れるべきであって、そういう未来志向で生きないといけないな、って思いますよね。

 

何か本の中身とずれていく気がするんだけど、要するにグローバル化について本質的に考えたことが無い人は読んでみると良いと思うよ。

報酬よりやりがいよりまず敬意を払え

http://3.bp.blogspot.com/-SQs0ID0nGMg/U-8GiQYRrSI/AAAAAAAAk6c/eVsqqrP9Czo/s800/salaryman_money.png

 

Twitterでよく見る議論、というか一方的に拡散されるツイートに、「企業が金を出さない、金を出さない企業はおかしい」的なやつがある。給料出さないのに人材を欲しがる、とか、やりがい搾取だ、とか。だから技術者が海外に流出するんだ、とか。絵師な方々がよく怒っているイメージが個人的には強い。

 

個人的には、こういう、「報酬出さない人間はおかしい」というスタンスに対してはもっともだと思うし、やりがい搾取だ、という気持ちもわかるし、技術の海外流出を食い止めるべき、という考え方もわかるんだけど。でもこの手の問題は、そういう表面的な数字の話よりももっと根深いところにあるよな、と思うわけです。

 

根深い原因の1つが、タイトルにあるように、敬意の問題。専門職を低賃金で使おうとする、とか。外国人研修生を安く使おうとする、とか。こういうのって相手に対する敬意が根本的に欠けてると思うわけですよ。相手を一人の人間として扱い、決して偉そうな態度を取ることなく客観的に、冷静に、あるいは情緒的にでも判断することができれば、敬意が生まれ、敬意を表す手段として報酬というのが付いてくるのではないかと。

 

逆に言うと、敬意がちゃんとあれば多少低賃金でも人は付いてくると思っていて、夢を語り、なぜ低賃金なのかの説明をし、将来的には賃金の向上を目指していることを伝えられるのであれば、人はついてくると思うんですよね。ベンチャーとかそうあるべきだし。

 

「敬意」というのは結構根深い人権に対する一般的な考え方であり、常識の部分だと思うんだけれども、この常識というか、道徳のようなものはどうも日本では育ちにくいように見える。外国人に対する敬意、自分より若い人に対する敬意、努力や才能に対する敬意。

 

適切な敬意を持てない、ということは同時に適切な評価もできない、という事でもあって、経営者、あるいは人事の能力不足、と言ってしまえばそれまでなのだけれど。こういう、根本的な体質というか、文化というか。そういう根本の価値観がまだまだグローバル化していないよなあと思うわけです。

 

体育会系価値観というか、変な調子に乗った部活とか、中学校の奇妙なローカルルールとか、そういうのが未だにのさばってるせいで、妙な価値観が凝り固まってしまったのじゃないのかなあと思ったりするんだよね。変な人間はどんどん駆逐しないとだめだよね。怒鳴り散らすだけで他党の人に敬意を払わない国会議員とか。

【読書記録】ドラッカーがわかる本

 はい。

図解 ドラッカーがわかる本

図解 ドラッカーがわかる本

 

 何か怪しげなタイトルの本です。いつどこで買ったのか全く記憶に無いんだけど、家に積まれてました。多分コンビニか何かで買ったんじゃないかな。定価500円て書いてあるし。

 

で、怪しげなタイトルなのでサクッと読んでサクッと処分しようかと思ったのですけど。思ったよりもドラッカー入門としては悪くなかったな、という感じ。ドラッカーの言うビジネス手法もそうなんだけど、ドラッカーという人間に対する理解から入る辺りが伝記っぽさもあって悪くない作りだと思う。

 

ドラッカー関連書籍と言ったら恐らく大半の人は、エッセンシャル版マネジメントか、もしドラあたりから入るんじゃないかなーと思うんですけど。ドラッカーって結構わかりにくい言葉を使うので、読みにくいんですよね。もしドラはまあ所詮エンタメだし。ドラッカーは原著で読んでもわかりにくい英語を使う。

 

なので、ドラッカー読んでわかりにくいなって思ったらとりあえずこれを読む、くらいの感じで読むと結構良いのかな、という印象。ドラッカーはこの言葉をこういう意味で使っています、とか。ドラッカーの有名な言葉はこういうところで使われてます、とか。そういう解説本。ドラッカーのわかりにくい言葉を平易に言い直して、解釈と事例を付け加えていくような感じ。

 

ただし、わかりやすい反面、この人本当にドラッカーの事理解してるのかな、(というか経営の事理解してるのかな)と思う部分もいくつかあったので鵜呑みは危険かもしれない。典型的なのは「マーケティング」の項で、一般的なマーケティングの解釈もドラッカーの解釈も間違っている。

 

とは言え、わかりやすさと手軽さ、お値段に加えて網羅性も高いので、入門書とサクッと1回読んでおくのは良いかもしれない。