データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

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【読書記録】ビジョナリー・カンパニー 特別編

 

ビジョナリー・カンパニー【特別編】

ビジョナリー・カンパニー【特別編】

 

 

ビジョナリーカンパニー3本目。

 

1本目、2本目に比べると1割くらいのボリュームしかないんだけど。①②がビジョナリーな「会社」の話だったのに対して、これはビジョナリーな「組織」にまで概念を広げられるのか、というのがテーマになっている。会社以外の組織というのはたとえば警察とか学校のような公務員組織であったり、NPOであったり、そういうやつ。

 

もうひとつ、①②と根本的に違うのは、①②が分析対象としてのビジョナリーな会社を明確に定義し、その上でよく似た企業と比較することでその特徴を探っていく「分析」であったのに対して。これはその分析対象を明確化せず、①②の枠組みに営利企業以外の組織が当てはまるのか、という「考察」。

 

なので、詳細に分析された①②に比べると説得力に欠けるなぁという印象が強いのと。企業以外にも使えます、という話なので、僕ら企業人は読んでもあんま意味ないなぁという感じ。

 

ただやっぱり、組織をうまく回す、という点においてはビジョナリーカンパニー以上のものを読んだことないのも事実なので、企業人以外の人がこれを読むときに補足として特別編を読む、企業人はとりあえず②まで読む、というのが正しい読み方かな。③と④はまだ読んでないから知らん。

 

ということで新婚旅行という名目LAに向かう飛行機の中で読み/書きましたとさ。

【読書記録】ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

 

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

 

 はい、読みました。

 

ビジョナリー・カンパニーの続編。タイトルの通り、企業が飛躍=大きく成長するにはどうしたら良いか、というのを分析した本。

 

1本目は、ビジョナリーな会社とは何か?というのをひたすらに紐解いていったのに対して、こっちは飛躍した企業は何をしたのか、を紐解いていく。1本目は代表的な企業が、ボーイングだったりモトローラだったりソニーだったり、日本人にも馴染みが深い会社が多いんだけど、こっちはあんまり馴染みが無いので、そういう意味では読みにくかった。

 

本の中で著者も行ってるんだけど、”2"というナンバリングがされつつも、内容はビジョナリーになる前に飛躍のタイミングがあるのでは、という、"0"に近い内容。厳密に株価が低迷していた状態から、市場平均の3倍以上の伸びを15年間に渡って維持し続けた企業と、それができなかった企業とをあらゆる確度から比較している。"2"で飛躍した企業が、"1"の内容を元にして維持し続けると、それがビジョナリーな会社となっていく。という感じ。

 

単純に分析として勉強になる、というのは前作と同様。とても信憑性が高い、よく出来た分析である。(1本目と2本目の間に読んだ、某日本の有名人の書いた本の酷さがとてもよくわかった。)考察も結論も、単なるカリスマリーダーがいた、とか、革新があった、とかではなく、「徹底的に自らのことを考えた」という方向に落ちるのがとても興味深い。

 

日本の経営書はどうしても"カリスマリーダー待望論"になっていくことが多いのだけれど。(そして向こうもきっとカリスマが大々的に報じられるのだけど)カリスマがいなくなった後も維持し続けるケースというのは稀で、なぜカリスマがいなくなった後会社は低迷するのか、という部分もよく分析されている。

 

あくまで"会社"を偉大な状態で維持し続けるにはどうしたら良いか、というのがビジョナリーカンパニーに一貫したテーマではあるのだけれど、必ずしも"会社"の維持と"個人"の成功は一致しなくて、カリスマ的な経営者が成功したからといって、カリスマ引退後も会社が成功し続けるのか、というとほとんどがそうならない、というのはとても興味深いところ。

 

こういう本からじゃあ、個人としてこの学びをどう活かそうか、どう行動に反映させようか、というと中々難しいんだけど。あくまで自分の所属している会社の話でいうと、この会社がどういう方向に向かっているのかがとても良く見えてくるので面白いなぁと思う。同時に、この定義からはちょっと外れてるんじゃない?っていうところも。この辺は3,4と読むとまた変わってくるのかもしれない。

 

何れにせよ、経営書としてはとても良質ですよね。まさに教科書って感じ。

汎用AIとチャットボットと音声認識の未来

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先日ふと考えたことを書き留めるだけの駄文です。

 

人工知能隆盛で、こないだのCESなんかでもAmazonAlexaAmazon echo)が結構盛り上がっていたらしいです。聞いた話。

で、その流れでAmazon echoはどこに向かうんだろうね、という話をしていたんですよね。でいくつかキーワードが出てきたんだけど。そのうちの一つが音声認識音声認識ってどのくらいニーズあるのかな?っていう話をしていたのです。

 

個人的には、最近GoogleがCMやってるような音声検索とか、siriみたいな音声認識ロボットってそれ自体は凄く利益を生み出すというわけでも、凄く人間の生活を変えるわけでもないよなぁ今のところ、というのが実感です。そりゃ多少は有効に活用している人もいるのだろうけど、siriとか、りんなもそうだけど、結局コミュニケーション用のちょっと頭のいい玩具でしかないのが現状ですよね。

 

これが、どこまで進化すると人間の生活に変化を及ぼすレベルになるのか、を考えてたんですよ。

 

今のsiriとかalexaとかGoogle検索って、質問したら答えてくれるけど、質問を返してくる事ってほとんど無いんですよね。

どういう話をしているかというと、例えば人間が服を買いに行くときって、

「何かお探しですか?」に対して
「ちょっとTシャツが欲しくて」と返すと、

「どのようなTシャツをお探しでしょうか」とか
「サイズはどのくらいですか」とか

店員が結構色んな事聞いてくるはずなんですよね。

これが何を意味しているかというと、店員が知らない情報を得ることで選択肢を狭めていく、という作業になるわけです。

 

この、選択肢を狭めていく作業が今の汎用人工知能には備わってないんですよね。

これが「文脈の理解」ができれば解決するのか、というのはあまりよくわからないけど、今の検索のような「一発回答」では解決しない領域なんじゃないかな、と思うわけです。

すべてを一発回答しようと思ったら、今Tシャツを探しているというコンテキストに加え、普段どういう服を着るかという嗜好、今の気分としてどういうものが欲しいか、という感情と結構色んな情報を取らなければいけない。そもそもイメージも決まらないで漠然と探す時だってあるわけで、そういう時にどういう情報を与えるべきか、どういう質問をすべきか、という事も理解しなければいけない。

 

確かにIoTだなんだでデータは今後も爆増するのだろうけど、そこまでの汎用的なデータが10年20年で取れるようになるのか、というと無理だろうなぁと思ったりするわけです。

 

で、もう少し手前の未来を考えてみた時に、汎用AIがそこまでいかなくても、専門AIがそのレベルにまで達すれば良いんじゃない、と思った次第なのですよね。

 

AmazonのAlexaやAppleのSiriは汎用的に利用できるAIだが専門的な回答は出来ない一方で、例えばナイキが自分たちの商品や人間/顧客の服飾に関するデータを徹底的に入れた専門AIを作る。Alexaと「靴がほしいんだよね」という会話をしてると中からナイキ製のAIが出てきて会話を代わり、靴の好みや今の気分に合わせて商品購入の相談が出来る世界。

あるいはsiriに「最近流行ってる音楽教えてよ」と話しかけるとsiriがspotifyのAIを呼んできてくれるような未来。

 

こうなってくると凄くポータルとwebサイトの関係に似てるな、って思うわけです。で、この専門AIの原型が今あるチャットボットなんじゃないかな、と。

チャットボットって今はメッセンジャーサービスの上に独立して乗っかっているけど。今後は入り口がメッセンジャーか、echoとかsiriみたいな音声認識系サービスか、Googleみたいな検索系サービスのどこかに集約されていくのだろうな、と。

そうなった時に、Yahoo!とか楽天みたいなところがこういうポータル(入り口)と専門(各中小メーカーやショップ)の間を繋ぐ立ち位置というのもあるかもしれない。

 

というのを考え始めたら、誰かが次世代のポータルはメッセンジャーだって言ってたんだけど、(実際WeChatとかLINEとかはポータルにかなり近づいてる)そこから一歩進んだ世界がとてもクリアに見えてきたなぁと思ったのでここに書き留めておく次第であります。

 

自動車なんかは最初から最後まで専門AIになるかもしれないね。この辺り何か誰か有名人とかの論考とかあったりするのだろうか。