何となく脳汁を垂れ流す

データサイエンティストにはなれなかったよ

プロジェクトマネージャーのフリをしたチェックリストマネージャー

久しぶりにアート・オブ・プロジェクトマネジメントを読んでいて、もう本当にこれこれこれだよ!っていうところがあったのですよ。

 

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

 

ある日、彼(上司)は私の部屋に入り、室内のすべての壁に貼られた、滑稽なほど巨大なチェックリストと表を見た後、私を座らせてドアを閉めました。そして、「スコット君、こういったものも悪くないが、君のプロジェクトってーのは君のチームそのものなんだよ。チェックリストではなくチームをマネジメントするんだ。そのチェックリストがチームのマネジメントに役立つのであれば、それは素晴らしいことだ。しかし、君のやり方ではすぐにチェックリストのマネジメントをするために君のチームを使うことになるだろう」と言ったのです。

 

これは結構、SIer的なプロジェクトマネージャーにすごく多いと感じているのだけれど、彼らはプロジェクトマネジメントをするための組織を作り、プロジェクトの全体を見てチェックリストを作り、進捗管理をひたすらやりたがる。

 

上記の引用は"プロセスと目標を取り違える"という章に書いてあって。チェックリストとかガントチャートを作るのはそれ自体が悪いことでは無いのだけれど、チェックリストを埋めること自体が目的になってしまっていることは多々あるのだよね。

 

以前の組織であったのだけれど、営業系の組織だったので、「クライアントへの提案件数」を目標にして、提案を何件したか、というチェックリストみたいな管理をしていたんですよね。そのチームは確かに、提案件数という目標は達成するために奮闘していたし、実際に達成できていた。

 

けど、中身を見るとひどいもので、理屈がめちゃくちゃの提案書がゴロゴロ出てくるわけです。明らかに間違った分析、営業秘密情報、コピペにコピペを重ねた雑な提案が大量にあるんですよね。

 

わかりやすい数値目標を立てて、クライアントの名前を並べてチェックリスト化して、それを埋めるだけのマネジメントになってしまっていた。果たしてそれで目標は達成できたとしても仕事が成功したと言えるのかどうかと。

 

目標管理が間違っていたという話も当然あるのだけれど、それと同時に、マネージャーの業務というものを過少に見積もっているのではないかと思うのだよね。マネジメントって、もっと複雑で泥臭くて成功方法なんてひとつもなくて、時と場合に応じて有機的に常に考え直さないといけないものだと思うのだけれど。

 

チェックリストマネージャーは、チェックリストを順番にこなすだけになってしまって本質を見失ってしまう。もちろんチェックリストやガントチャートが悪いわけではなくて、そういったツールは手段に過ぎないので、それらをなんのために使っているのか、というのが重要なんですよね。

 

チェックリストを埋める、という作業は、多分めちゃくちゃ達成感あるんですよ。ゲーミフィケーション的にもよく使われる手法だし。どんどん埋まっていくと多分めちゃくちゃ仕事した感出るんですよね。でも、なんのためにチェックリストを埋めているのか、というのを忘れると、気づいた人から嫌気が差して離れていくと言う状況が生まれる。

 

あれですよ、そういう本質に気づかない無能ばっかの組織をマネジメントするにはめちゃくちゃ有効です。あとはリソース管理だったり、優先度付けみたいな事をするときには有効。人月仕事とかには必須ですね。けど、そういう運用抜きに上から順にやっていきましょう、になったらアウト、それはチェックリストマネージャーです。

 

逆に、クリエイティビティの高い仕事には圧倒的に向かないんですよね。「アイデアを出す」とかってチェックリストに書くの馬鹿じゃないですか。そういうもんじゃない。

 

ということで、チェックリストマネージャー相手にするときは、そもそも何を目的にチェックリスト作ってるんですかね、というのは日々突っ込んでいかないといけないですね。「管理」って答えが返ってきたらなんのために何を管理してるんですかねって突っ込もう。

 

ということでアート・オブ・プロジェクトマネジメントも、読むたびに発見がある良い本ですね、という話。

マネージャーに求められるもの

新年度が始まって、組織編成の煽りを受けてマネージャーを首になったので少し振り返りがてら、マネージャーは何をしなければならないのかを少し考えてみる。

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1月、中途で新メンバーが入ってきて。某電機メーカーのシステム子会社から来た人なんだけど、「上司が求めてくることが全然違う」という事を言っていたんですね。

週報を毎週出してもらっていたのだけれど、タスク進捗箇条書きみたいな感じだったので、「そうじゃなくて、なぜそれをやろうとしてるのか、とか、何に困ってるか、とかそういう事を書いてほしい」と言ったんですよ。そしたら今まではむしろ「そんなものいらないから進捗だけ出せと言われていた」と。

これは僕を非難するという意味ではなく、むしろ聞いてくれるのが嬉しい、という意味で。

 

で、僕が4月にマネージャー退いて少しチーム編成が変わって後任がそこに着いたのでその話を聞いてみると、どちらかというと新マネージャーは進捗管理ちゃんとやりたいタイプで、僕とはスタイルが違うのがすでにこの1週間で明白に出ていたりして、面白いなあと思う次第。

この新マネージャーというのが僕の部下だったので、彼は僕にそういうマネジメントを求めていたんだろうな、と思うわけです。この新マネージャーと、前記の中途メンバーはそれぞれ僕に全然違うマネジメントを求めてたんだと思うんですよね。そりゃあ中間管理職、病むわ、と。

 

 

マネジメントスタイルって人それぞれだしそれでいいと思うんだけど、目的によってマネジメントスタイルは変えるべきだし、部下のタイプによっても上司のタイプによっても変わるべきなのだろうなあと思うわけです。

 

たとえば細かい進捗管理をするべきか、という手法一つ取っても。人月で大規模なチームで動いている人たちは細かく管理したほうが良いと思うんですよね。足並み揃えながらやらないといけないから。

 

でも一方で僕がそれをやらなかったのはクリエイティブな働きを求めていたから。単なる業務を回す仕事ではなくて、新しいアイデアを生み出す部分を求めていたからで、こういう仕事には進捗管理したところでアイデア出ないと無意味なんですよね。

それよりは会話して議論して、という回数を増やす方をやるべき、という志向。

 

もう一つは、細かい進捗管理ってメンバーが信頼できるなら必要ないと思っていたから。別にいちいち管理しなくても、別にサボったりするメンバーじゃないし、という。席は近いし会話はしてるから問題が発生したらまあわかるし。

 

逆に言うと、業務管理屋の下にいるとクリエイティブな人材は育たないと思ってもいて。自由に仕事できる環境を与えて干渉しすぎずに、困ったときだけ手を差し伸べるスタイルがいいかな、と。

 

前に広告代理店の働き方の本を紹介したけれど。これが全く業務管理をしない働き方なんですよね。こういう働き方のほうがクリエイティブな人間が生まれるだろうと。

 

 

なんて事を考えながら、改めてマネージャーから退いてみるとそれはそれで発見があるなあなんてことを考えている今日この頃。

AEAES:AIDMA、AISASの通じない世界の購買行動モデル考えてみた

なんか数日前に図らずとも珍しくちょいバズみたいになってしまったのだけど、ブログにもストックしておこうと思う。

 

 

 

これは数年前のad techで聞いたコカ・コーラの話と、先日講演を聞いた某飲食業の話が同じことを言ってたので面白いねってだけの話なんですけど。

どちらも共通して、TVで認知→Webで刈り取りというよく代理店が提案してくる手法を使っていなくて、むしろPR→SNS→TVの順で、TVを最後に持ってくるんですよね。

 

最近は戦略PRというのがなんか流行りみたいですけど、まあ流行ってるよねって言って終わらせるのは簡単で。むしろなんで流行ってるのかとかをちゃんと考えていくと広告屋としてはなかなか難しい局面だなあと思うわけです。私は広告屋なんですけど。 

 

たぶん一昔前だったらTVで一気に垂直立ち上げ!みたいのが活きたのだと思うんだけど。そしてそういう手法が消えたわけじゃないとも思うのだけど。例えばPayPayは場を温める前に広告も販促も同時に一気に立ち上げてたし。けど、多くの商品では方法を変えたほうがいい部分があるなぁと思うんですよね。

 

あえてAIDMAとかAISASに対抗して書くなら、AEAESとかだろうか。

Attention (認知)

Expectation (期待)

Action (行動)

Emotion (感動)

Share (共有)

 

このモデルの肝は、Interestという比較的弱い言葉ではなく、Expectationというもっと強くて、未来志向の言葉を使っているところ。ただ興味を持たせるだけだと消費財とか相手には弱くて、一回買ってみたい、一回試してみたいという期待感を煽らないといけない。当然だけど商品は一回買ってみようと思うくらいの価格帯である必要があるし、一回試してみようと思えるくらい各チャネル上での施策も練らなければいけない。

 

もう一つは、なんでもかんでもShareしてくれるほど甘くなくなっているので、Emotionという言葉を挟んでいること。いかに買ったユーザーの心を揺さぶるか。エモいという若者言葉が取り沙汰されて久しいので敢えて入れてるところもある。ついついShareしたくなるようなパッケージデザインだったり、体験が必要。

 

マクドナルドの件で言うと、例えば10個に1個だけパッケージが違う商品を出していたり、PayPay も10人に1人のくじが当たった人はどんどんシェアしていた。ハートのピノとかみんなガンガンシェアしてますよね。

 

で、もう少し商材との相性を深堀していくと。

 

例えばPayPayがそうだけど、ネットワーク外部性が効くタイプの新規サービスは一気に垂直立ち上げが重要なんだと思う。加盟店もユーザーも一気に増やさないと、あまり流行ってない感が先に出てしまって競合に取られてしまう。現に、Suica以降の後発が全く覇権を取れていないのがこの領域だったり。だからこそPayPayのやり方は広げ方としてとても正しいと思っている。

 

逆に、マクドナルドとかコカ・コーラみたいな、ある程度知名度があって販売前に話題が作れる商品は垂直立ち上げよりもバズで温める手法が効く。AIDMAとかAISASだと不十分なのはこういうブランドの、特に新商品だったり販促キャンペーンだったり、イベントみたいなものについて。

 

イベントとかは特にそうで、つい今週も僕はライブのチケットを取りそびれたのだけれど、当日にいくらバズっても遅いんですよね。だからこそ、事前に如何に話題を作れるかが鍵になる。戦略PRが生きるのはこの領域。

 

それから、手法レベルでShareについて補足しておくと。きっちりShareされるコンテンツさえ作り出せたら、あとはTVのニュースとか大手メディアは勝手に取り上げてくれるんですよね。だから、Attentionを目的とした広告はやらなくても良くなる。

 

逆に言うと、いかにShareされるコンテンツを社内で生み出せるか、というセンスはかなり鍵になるところで、そういうクリエイター人材の需要はどんとん高まるのではないかと。広告打つだけならどんどん自動化されてくしね。

 

このあたりの手法で面白いと思っているのはもう一つ、アーリーアダプターまではマス広告無しで到達できるのではないかという話。というか仮説。

 

あくまで最後のShareをする人、そのShareを見る人は商品のアーリーアダプターに過ぎなくて。話題になったあとテレビが取り上げるかどうか、というのがキャズムを超えられるかどうかの指標として使えそうだなと思ってること。逆に、取り上げられないキャンペーンやイベントを切ることもできそうだな、と。

 

とまあ色々書いてはみたものの、クリエイティブが絡んでくる以上、数撃ちゃ当たる作戦を取るしか方法がないのも事実だと思うので。とにかく実験をたくさんして知見をたくさんためながらやるしかないのですけどね。

 

なんかあんまりきれいにまとまらなかったんだけど、この辺はもう少し整理して深掘りして考える価値があるなあ。

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