データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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このページは初めての方に向けた自己紹介とその他諸々のページです。よしなに。




自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

lucies.hatenablog.com




↓それでは最新記事をどうぞ↓



【読書記録】組織にいながら、自由に働く。

 

 はい、読みました。

働き方改革的な本。

 

著者は楽天大学学長、という肩書を持ちつつもよくわからない働き方をしている人。楽天のお客さんと遊ぶのが仕事、と自称している。

 

働き方には4つのステージがある、という持論フレームとその解説、という構成。4つのステージを「加」「減」「乗」「除」と表している。個人的には、加減乗くらいまではしっくりわかるのだけれど、除だけがイマイチわからないというか、腑に落ちない感じ。著者の周りでは「わかるわー」という感じらしいので、僕はまだそのステージにいけていないということだと思う。

加減乗除の触りくらいは

comemo.io

この記事にも書かれているので、そちらを呼んでもらえれば。

 

自分の周囲を見てみると、結構良い年いっていても、「加」のフェーズから抜けられない人がパラパラと見受けられるなあという感じがする。意識的に強みを見つけられていない人。

 

よくある自己啓発書とかとはちょっと違う雰囲気で、あんまり読んだことないタイプの本だと思う。結構自己啓発系のビジネス書って著者のひとりよがりというか、俺理論になりがちなところが多かったりするんだけど、ちゃんと抽象化して系統立てて整理されているのですごくわかりやすい。

 

多分、これを意識しながら仕事をしつつ、また数年後くらいに読み返すと新しい発見があるのだろうな。読み返そう。

【読書記録】AI vs 教科書が読めない子どもたち

 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

 話題になってたやつ。

著者は「東ロボくん」で話題になった新井先生。東ロボくん=東大入学を目指した人工知能ね。

東ロボくん - Wikipedia

 

正直、「AI本」として読むのであれば別にこの本である必要はなくて、松尾先生とかの方がちゃんとAIにフォーカスされてて良いと思う。 

 

AI vs~は、どちらかというとAIについて、というよりもAIと人間の「知性 」についての実験・研究の本。

ちょっと前にツイッター

togetter.com

これとか話題になってましたが。読解とは何なのか、どういう読解がAIにできないのか。それに対して人間はどのくらいが読解できているのか。という、読解力をベースにした議論。

 

知識が中心の理科・社会、ルールベースの数学は人工知能でもかなり精度高く解けるのだけれど、英語と国語は抽象性が高くて人工知能には解けない、というのがこの本のスタート地点。なぜ言語は解けないのか、どういう読解ができないのか。というのがいろんな観点から考察されている。上のTogetterの問題はそのうちの一つ。

 

こういう読解能力って人工知能には確かに解けないけど、でも人工知能以下の人間っていっぱいいるよね、という話で。国語の偏差値が57くらいだったので、受験生の半分以上が人工知能以下の読解力しか持たない。

 

ホワイトカラーの仕事が今後AIによって奪われる、という話があるけれども。じゃあどの仕事が奪われるの、っていうと、こういう「読解力がなくてもなんとかなる」仕事であって、抽象と具体を行き来するような考え方ができるかどうかがかなり影響してくるんだろうなあと。

 

いろいろ考えることはあって楽しい本ではありました。

【読書記録】デジタル時代の基礎知識 『ブランディング』

 

記事 書くのをだいぶサボっていたのだけれどちゃんと書きます。

 

山口先生。山口先生のブランディング本を読むのは2冊め。1冊目は

プラットフォーム ブランディング

プラットフォーム ブランディング

 

 これ。

 

どちらも共通のところはたくさんあるんだけど、プラットフォームブランディングに比べると「基礎知識」と書いてあるだけあって、平易で簡単な印象。プラットフォームブランディングをもう少し噛み砕いた感じ、といっても良いかもしれない。

 

僕はいわゆるデジタルマーケの世界にいるのだけれど。ブランディング=大きな予算をかけて大々的なキャンペーンを張ること、という認識の人は未だに根強くいるのを感じている。ブランディングというのは本来そういう"手法"のカテゴリではなくて、本来は顧客の中にどういう意識を作っていくか、という"顧客"の話。

マーケの仕事をしている人たちですら、方法論をカテゴライズしたがるプロダクトアウトな発想に陥りがちなのは滑稽な話だなあと思う。

 

ブランディングには一貫性が大事だ、というのはどちらの本にも共通して書かれている事ではあるのだけれど。全然別軸で、ビジョナリー・カンパニーとか読んでても組織運営には一貫した理念が大事、ということが書かれてたりするんですよね。これ結構面白いなあと思っていて。要するに、それが組織の外に出るときにはブランディングという概念になり、組織の中に浸透させるときはマネジメントの一分野になっていく。

 

結局の所、手法や考え方は色々あるにせよ、自社の組織運営が一貫性をもって進められなければブランディングもうまくやっていく力は生まれないのだろうな。どちらも、「病めるときも健やかなるときも・・・」的な継続力が必要。特に病める時にこそ試される力なのだろう。

 

なんか本の感想とあんまり関係ない文章になってしまったけどブランディングは楽しい概念です。