汎用AIとチャットボットと音声認識の未来
先日ふと考えたことを書き留めるだけの駄文です。
人工知能隆盛で、こないだのCESなんかでもAmazonのAlexa(Amazon echo)が結構盛り上がっていたらしいです。聞いた話。
で、その流れでAmazon echoはどこに向かうんだろうね、という話をしていたんですよね。でいくつかキーワードが出てきたんだけど。そのうちの一つが音声認識。音声認識ってどのくらいニーズあるのかな?っていう話をしていたのです。
個人的には、最近GoogleがCMやってるような音声検索とか、siriみたいな音声認識ロボットってそれ自体は凄く利益を生み出すというわけでも、凄く人間の生活を変えるわけでもないよなぁ今のところ、というのが実感です。そりゃ多少は有効に活用している人もいるのだろうけど、siriとか、りんなもそうだけど、結局コミュニケーション用のちょっと頭のいい玩具でしかないのが現状ですよね。
これが、どこまで進化すると人間の生活に変化を及ぼすレベルになるのか、を考えてたんですよ。
今のsiriとかalexaとかGoogle検索って、質問したら答えてくれるけど、質問を返してくる事ってほとんど無いんですよね。
どういう話をしているかというと、例えば人間が服を買いに行くときって、
「何かお探しですか?」に対して
「ちょっとTシャツが欲しくて」と返すと、
「どのようなTシャツをお探しでしょうか」とか
「サイズはどのくらいですか」とか
店員が結構色んな事聞いてくるはずなんですよね。
これが何を意味しているかというと、店員が知らない情報を得ることで選択肢を狭めていく、という作業になるわけです。
この、選択肢を狭めていく作業が今の汎用人工知能には備わってないんですよね。
これが「文脈の理解」ができれば解決するのか、というのはあまりよくわからないけど、今の検索のような「一発回答」では解決しない領域なんじゃないかな、と思うわけです。
すべてを一発回答しようと思ったら、今Tシャツを探しているというコンテキストに加え、普段どういう服を着るかという嗜好、今の気分としてどういうものが欲しいか、という感情と結構色んな情報を取らなければいけない。そもそもイメージも決まらないで漠然と探す時だってあるわけで、そういう時にどういう情報を与えるべきか、どういう質問をすべきか、という事も理解しなければいけない。
確かにIoTだなんだでデータは今後も爆増するのだろうけど、そこまでの汎用的なデータが10年20年で取れるようになるのか、というと無理だろうなぁと思ったりするわけです。
で、もう少し手前の未来を考えてみた時に、汎用AIがそこまでいかなくても、専門AIがそのレベルにまで達すれば良いんじゃない、と思った次第なのですよね。
AmazonのAlexaやAppleのSiriは汎用的に利用できるAIだが専門的な回答は出来ない一方で、例えばナイキが自分たちの商品や人間/顧客の服飾に関するデータを徹底的に入れた専門AIを作る。Alexaと「靴がほしいんだよね」という会話をしてると中からナイキ製のAIが出てきて会話を代わり、靴の好みや今の気分に合わせて商品購入の相談が出来る世界。
あるいはsiriに「最近流行ってる音楽教えてよ」と話しかけるとsiriがspotifyのAIを呼んできてくれるような未来。
こうなってくると凄くポータルとwebサイトの関係に似てるな、って思うわけです。で、この専門AIの原型が今あるチャットボットなんじゃないかな、と。
チャットボットって今はメッセンジャーサービスの上に独立して乗っかっているけど。今後は入り口がメッセンジャーか、echoとかsiriみたいな音声認識系サービスか、Googleみたいな検索系サービスのどこかに集約されていくのだろうな、と。
そうなった時に、Yahoo!とか楽天みたいなところがこういうポータル(入り口)と専門(各中小メーカーやショップ)の間を繋ぐ立ち位置というのもあるかもしれない。
というのを考え始めたら、誰かが次世代のポータルはメッセンジャーだって言ってたんだけど、(実際WeChatとかLINEとかはポータルにかなり近づいてる)そこから一歩進んだ世界がとてもクリアに見えてきたなぁと思ったのでここに書き留めておく次第であります。
自動車なんかは最初から最後まで専門AIになるかもしれないね。この辺り何か誰か有名人とかの論考とかあったりするのだろうか。