【読書記録】シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」
今更ですが。
ビッグデータブームの火付け役、ネイト・シルバーの本。実は初読。今更。
中身は、データから何かを予測する、という事ができるのかできないのか。どういう分野ならできてどういう分野ならできないのか。いろんな分野にまたがって、「予測」というものを解説する本。
例えば比較的うまくいっているのが天気の予測。天気予報は多くの人が朝見て、今日の天気を確認すると思うんだけど。それは予測がうまくいっている事例。うまくいくのは意味のあるデータ、すなわちシグナルが豊富だから。逆にうまくいっていないものも当然あって、地震予測とか経済予測とか、テロの予測とか。
この中には、3.11の話も9.11の話もリーマンショックの話も含まれている。あとポーカーの話と、チェスの話と。9.11とかリーマンは、後から振り返れば確かに起こりそうなシグナルはあった、けど事前にそれを察知するのはとてつもなく難しかったのではないか、とか。
ひたすらに確率と予測の事例を並べ立てていて、比較的平易で読みやすいとは思う。めちゃくちゃ事例が豊富なので、1冊で結構読み応えあり。kindleで読んだんだけど、最初ページ数みたとき「うわ・・・」って思った。今年読んだ中で、一番長かった本でもある。
個人的には、序盤の、「みんなシグナルを探したがるが、ノイズの量はあまり考慮しない」という話はぐっと来るものがあるよね。ビジネスに役立てるためにひたすらに小さなシグナルでも良いから探したがるんだけど。(特にいわゆるビッグデータを扱ってると)実際そんなうまいことシグナルは見つからないのですよ。平均値はみんな見たがるけど、ばらつきはちゃんと分析されないんだよね。
とりあえずデータビジネスに関わる人間は全員教養として読むべき本であることは間違い無いよね。データの見えざる手と並んで必修科目である。4年遅れで単位をようやく取りましたよ私は。良書です。1年後くらいにもっかい読みたい。