データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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このページは初めての方に向けた自己紹介とその他諸々のページです。よしなに。




自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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なぜ失敗を許さない組織がダメになるのか。

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多分ブログには書いてないんだけど、10月以降、某ザ・古き良き日本企業とがっつり組んで仕事をしております。そこで色々、自社とは違う文化、組織を目にして来て色々と気づきはあるので、少しづつ小出しにしていこうかと。Twitterで小出しにしていることの焼き直しではありますが。

ということで、今回は「失敗を許さない」企業文化によって何が起こるのか、という話。

失敗を許さない組織とは。

これが、ザ・古き良き日本企業に典型的なのかどうかはわかりませんけれども。古き良き日本企業にはありがちな気がします。失敗の回数が、出世に響く企業。公務員なんかもそう言われてる気がしますが。

失敗をすると、恫喝される。出世の道が閉ざされる。成功の数よりも失敗率が重視される組織。当然、そういう組織では「恫喝する側」が絶対に正しくなるので、上司の言うことが絶対、という事になっていく。上下関係の厳しさと失敗に対する寛容性は反比例するような気がする。

失敗を恫喝する、というのは上下関係を明確にするための最も簡単で馬鹿らしい手段のひとつだ。

 

起こる事① 創造性の欠如

失敗を許さない組織、失敗すると恫喝され、詰められるような組織は、当然のように下は萎縮していく。その為、社員は失敗しないような仕事、既存の仕事の延長しかやらなくなる。それがその組織の中では「正しい」行為として浸透していく。結果、新しい仕事が現場から生まれなくなる。想像に難くない。新しい仕事が生まれない会社が時代についていけるはずが当然無い。

 

起こる事② 創造性を上司が発揮し始める

そうすると、「新しい仕事」というのは恫喝されない側、つまり上司の側がやり始める。必要だからやるのではなく、上司が「仕事できる風に振る舞う」ための手段として、最新のものに飛びつき、検討もロクにしないままにとりあえずやる。部下はそれを批判できないのでやるしかない。結果、意味のない仕事が大量に生まれる。生産性が悪化する。

 

起こる事③ 上司の意思決定がめちゃくちゃ

新しい仕事は上司しかできない、ということ。逆に言うと、部下、下の方の人は意思決定を一切しない、ということでもある。そういう部下の中から最も失敗しなかった人が出世する。そうするとどうなるか?出世して初めて意思決定を担う事になる。小さな意思決定をしたことの無い人が、突然大きな意思決定を任される。意思決定の批判すらしたことのない人が、突然権力を持つ。合理的な意思決定ができるはずが無い。

 

起こる事④ 評価も検証もされない

失敗を許されない組織、というのは、逆に言うと成功しか許されない。もっというと、これが成功か失敗かを評価する必要がない。なぜなら全部成功だから。つまり、ひとつの仕事に対し、適切な評価も検証もされず、この仕事は成功でした、以上。で終わり。PDCAという言葉が大好きな日本人ならわかるであろう、Cが欠如しているということが。適切なCheckは失敗できない組織、失敗できない上司にとっては都合が悪い。

 

起こる事⑤  サービスが継続して育たない

こういう組織において、思いつきでまだやっていない仕事、というのはとりあえずやれば成功する。典型的なのは「うちも何かアプリ作りましょう」。アプリが出来上がればその仕事は成功。0→1は実はそんなに難しくない。だけど、その後継続すると、必ず評価がつきまとう。売上の増減、ユーザー数の増減、評価の増減。上で述べたように、この組織は評価をしたら損をする。だが継続したら評価が必要になる。だから継続をしなければいい。継続しないのがこの組織にとって最適解となる。

 

起こる事⑥ 失敗をアウトソースする

それでもこの組織は気づき始める。「いっぱい新しい事やってみたけどうまくいかないな」。そうだ、専門家に任せてみよう。アウトソースである。自社に成功させる力が無いので、他社に成功を求める。成功したら俺の手柄、失敗したら外注先のせい。

 

起こる事⑦ ノウハウが社内に溜まらない

当然、失敗したら「お前らその原因を究明しろ」、成功したら「良かったね」で終わり。なので、成功要因も失敗の原因も当然、自分たちにはわからない。だからノウハウも溜まらない。ただひたすらに外注するだけ。金があるうちは良い、逆に言うと金がなくなったらそこで終わりということでもある。

 

さて、ざっくりこの1-2ヶ月で学んだ、古い組織、だめな組織について。ちょっと原因と結果の因果構造が雑ではあるんだけど、(恫喝の文化と失敗を許さない文化はどっちが原因でどっちが結果かはよくわからない)いわゆる古い日本企業に多いのではないかな、と思う。もっというと、50代以上が幅を利かせている企業に多いのではないかな、、、と。

 

解決策はいくつかあるんだけど、基本的に現場が死んでいるし、現場から上にフィードバックするルートが無いので、ボトムアップでの解決は無理。トップダウンの解決が必要。下から上へのフィードバックが無いというのが致命的。もう一つ重要なのは、評価制度。成功・失敗よりもチャレンジを評価する制度が整っているかどうか。ましてや年功序列なんぞもっての他。トップの意思と制度が整って初めて、これらの改善がなされる。

 

つまりまあ要するに、この記事に何かの間違いでたまたま辿り着いたような現場の社員は、転職を考えたほうが良い、という事。こういう会社を相手にした仕事は、徹底的に搾取する方法を考えるとうまくいくのではなかろうか。カモにして搾取して潰そうぜ、徹底的に。