データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




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【読書記録】FAILING FAST マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争

 

FAILING FAST マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争

FAILING FAST マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争

 

 2冊目/2017年。思っていたペースほど読めないなぁやっぱり。

 

米ヤフーの現CEO、Googleの元幹部マリッサ・メイヤーを主人公に、マリッサとヤフーの歴史を辿った本。原題は"MARRISSA MAYER AND THE FIGHT TO SAVE YAHOO!"。邦題はここに"FAILING FAST"という言葉が。この言葉自体はマリッサの信念のような言葉。座右の銘のような。本の中では、"失敗するなら早いほうが良い"という訳を与えられている。

 

この本自体はタイトルから想像したのとはちょっと違って、思ったほどマリッサマリッサしていない。マリッサ本人の伝記的なストーリーと、ヤフーの物語が同時に進行していき、最後の一章で混ざり合うような感じ。

 

前回ビジョナリー・カンパニーを読んだので、ビジョナリー・カンパニーの要件をヤフーが満たすのか、という点を考えながら読んでみたのだけど。ヤフーにはビジョナリー・カンパニーに必須の経営理念も無ければ、従業員を活かす仕組みについても書いておらず。合わせて、妙な納得感がありました。

 

ヤフーの物語だけ追うと本当に、ヤフーをどういう会社にしたいのか、という理念はマリッサが就任するまで出てこず、メディア企業となるべきか、テクノロジー企業となるべきか、ずっとその狭間で揺れている。従業員についての話題も、マリッサがFYI(全社vsマリッサの質問会)や、QPR(従業員評価制度)を導入するまで、つまり本の後半部分までほとんど触れられない。

一方で、マリッサの話でもあるので当然Googleの話も出てくるのだけれど、Googleのエンジニアの話は初期から結構出てきたりする。この1冊の中でそういう、GoogleYahoo!という同時期にスタートした2社の違いがありありと見えてくるのは非常に興味深いな、という感想。

 

もう一つ感じたのは、この米ヤフーの失敗からYahoo!JAPANの方はとても学んでいるのだな、という感じがすごいする。マリッサが就任すると同時に米ヤフーではリモートワークを禁止する令が出ているが、一方で日ヤフーでは最近話題の週休3日も含め、働き方改革にかなり力を入れられている。米ヤフーの方針が全く定まらなかったのに対し、日ヤフーではメディアという自覚による宣言文を出していたり。

 

Yahoo!JAPANはじめ、米以外のヤフーに対する言及は中ヤフーの失敗くらいにしか触れられていないのだけど、自分の手元にある色々な情報と組み合わせると、見方が結構変わるなぁというのを強く自覚した本でありました。そういう意味で個人的にはとても新鮮だったな、と。それを抜きにしても、良質なドキュメンタリーなのではないかな、と。ベライゾンの買収問題が落着したら、この件も含めた続編が読みたいですね。