事業展開の罠。
面白い記事があったので。
記事の内容は読んでもらえれば良いんだけど、簡単に言うと。
ということ。
記事の中では、チップ企業がその上に乗せるアプリケーション事業を興そうとして失敗する例が書いてある。
顧客のニーズがわからない事が原因、ということが延々と書いてあるんだけど。
まぁ当然といえば当然のこと。
チップ企業とアプリケーションの例なんかを出すまでもなく。
- カメラメーカーがカメラマンになれるか?
- 印刷会社が出版業に参入できるか?
- スポーツ用品メーカーがプロスポーツ選手になれるか?
など、考えれば、そんなに難しい事はない。
要は、自分たちの商品を自分たちで使う方向に事業展開をするには、
それなりの覚悟が必要なのだ。
逆は意外と簡単で、
- カメラマンは業務用カメラのニーズを知っているし、
- 出版社はどういう紙がどういう装丁に活きるのかを知っているし
- プロスポーツ選手はどんなトレーニング器具が売れるかを知っている
どれも現実的。
自分の仕事の話をちょっと交えると、
「マーケツールを作る」事はできるエンジニアは、
そのツールを運用して効果的なマーケティングができるか、というと、出来ない。
けど、マーケツールを作っていたエンジニアが、
そのためのインフラに貢献できるか、というとたぶん出来るのだろう。
そのくらい、
上位のレイヤーに移るというのは荷が重いのである。
逆に言うと、ニーズを知るのって凄く難しい事である、とも言える。
業務用カメラを作っている人たち、別にカメラマンじゃないからね。
所謂SIerとかが、「ソリューション」と言いつつ中身が「御用聞き」になってしまうのも、
結局ニーズがわからないから提案<御用聞きになってしまう。
ましてやコンサルは生半可な頭じゃできないわけです。
ということで、さて、
こちらのブログにも書いた、メーカーのサービス業化。
これは完全に上位レイヤーに展開する話なわけです。
生半可じゃ上手くいかないので、
それなりのヒトとカネをぶっ込むか覚悟を決めないと、失敗しますよ。
業務提携とかでサービスレイヤーは外のノウハウを活かさないとね。
まぁ自動車なんかはBtoBじゃなくBtoCなので、
最初から顧客向きな分、成功はし易いと思うけどね。