何となく脳汁を垂れ流す

データサイエンティスト見習いの卵補佐が少ない脳みその絞り汁をヘンゼルとグレーテルの如く点々と垂らしていくブログ。

メーカーのサービス業化のアプローチ。

http://www.nikkei.com/content/pic/20150107/96958A9F889DEAE3E4E4EAE6E4E2E2E5E2E3E0E2E3E7E2E2E2E2E2E2-DSXZZO8166902007012015000000-PB1-7.jpg

さてさて。

ちょっと前ですが、今年のCESはフォードが結構話題に上がっておりました。

www.nikkei.com

もしくは上がっているように見えただけなのですけれど。

フォードが、
「車を生産する会社」から、
「自動車での移動を軸としたサービス業」へ、
転換していくのだ、という記事ですね。

 

こういう、メーカーがサービス業化していく、ということ自体は珍しいものではなく、
(と言っても増えたのは最近だと思うけど)
この辺りを少し深掘って考えてみようかと思います。

 

メーカーがサービス業化するということ。

これ自体はごく自然な流れでありまして。
僕の、大学院時代の恩師がですね。一時期、「PSS」の研究をしようとしていたのです。

PSSとは、「Product Service System」の事。
単なる製品を売るのではなく、サービスを付随させた仕組みを考えましょう、というお話。

上のリンクに貼った論文が2006年のものなので、
この考え方自体は決して新しいものではないです。

当然なんですよね、ある意味。

製品自体がコモディティ化していくにつれ、
製品単体では差別化ができなくなる。付加価値を上げられなくなる。
だから、サービスを付随させて付加価値を上げていく。

古典的なのは、メーカー保証みたいなものもそうですね。
製品が壊れたら取り替えてあげます、というのも付随サービスの1つ。

 

なぜ最近になってメーカーのサービス業化が言われるようになったか

もうこれはね、スマホの普及という一言に尽きると思います。
もう少し広げて、通信テクノロジーの進化といっても良いけど。

人が、高度な通信コンピューターを肌身離さず持ち歩くようになったのは、
つい最近、ここ2-3年で起きた変化なわけです。

多くの人がコンピューターを肌身離さず持ち歩いているのであれば、
そのコンピューターを利用して、製品の付加価値を上げていこう、となる。

凄く自然な流れ。

一昔前だったら、実現には専用デバイスを作って一人ひとりに持たせなければならなかった。
それが、わざわざデバイスを作らなくても、みんな持ってるものでどうにかなる。

サービス業への参入障壁が下がった、とも言い換えられる。

 

例えば、上のフォードの記事にあるカースワッピング。
一昔前にこれをやろうと思ったらどうなったか。
「自動車の空き状況の可視化」「自動車の管理」など、
これを実現するだけでも専用のシステムを組んで、莫大な費用がかかっちゃう。

でも、みんながスマホ持ってるんだから、
アプリダウンロードしてくれたらアプリで見られるよ!で、終わる。

アプリ作るのは効率的に簡単に作れる方法はどんどん出てきている。

これは人類にとって劇的な進化なのだ。

 

じゃあ、どうやってサービス業化していくか。

 

サービス業化のアプローチ① グランドデザインから。

記事にあるフォードの例とか、
トヨタのT-Connectも似たようなものだけど。
核となるビジネス(トヨタだったら自動車の製造販売)を中心に、
付随サービスをいくつも作り、総合して良いモノとしていくという発想がある。

典型的なのは、
ネスカフェバリスタですね。

2013年頃からいろいろなビジネス雑誌に出ているけれど、
ネスカフェバリスタは、「ネスカフェアンバサダープログラム」という
新しいビジネスモデルを構築し、バリスタというプロダクトを
いつでも手軽にオフィスでコーヒーが飲めるサービスへと転換した。

 

サービスじゃなくてコーヒーの製造販売だろという意見もあるかもだけど、
重要なのはバリスタの価値を上げるために、アンバサダーというサービスを生み出したところ。

 

サービス業化のアプローチ② 御用聞きが気づいたらサービス業化してた。

B to Bの事業で結構多いんじゃないかな、と。
最初は、頼まれた製品を作っていた会社が、段々と相手の要求に応えるうちに、
製品製造から統合ソリューションへ、ソリューションからコンサルへと変わっていく。

(この辺の切り分けはまぁ置いておいて)

コンサルにまでなると完全にサービス業ですね。

製品を作るところだけやっていた会社が製品を使うところまでサポートする。

これ、一番よくあるパターンだと思います。

 

サービス業化のアプローチ③ 販促が気づいたらサービス業化してた。

これが結構面白い事例じゃないかなーと思うんですけど。
ソニーの、αシリーズというカメラがあります。

αシリーズはまぁ普通にデジタルカメラなんですけれど。

ここのマーケティングの担当者たちは(正確にはデジタルマーケティングの担当)
どうすればαシリーズを売れるか考えた結果、αカフェというものを作ったのです。

アンバサダーマーケティング、という方法がありますけれど。
要は、コアとなるヘビーユーザーを作り、その人達に商品を広めてもらう方法。

アンバサダー・マーケティング

アンバサダー・マーケティング

 

 ソニーはαカフェというサービスを作り、
αシリーズを買うのではなく、「使う」方の動機付けをしたわけです。

結果としてαcafeユーザーは明確にヘビーユーザーとなり、
次のソニー商品も買ってくれる確率も高かったとか。

で、これ自体はあくまで、「販促」の一貫であり、「マーケ部」の仕事だったんですよね。
商品企画する人たちじゃないの。

あくまでデジタル担当の人が、
「オウンドメディア活用」という文脈で考えたものであって、
決して製品をサービス化しよう、と思って始めたものでは無いと思うんですよ。

 

なのに、販促しようと思ってヘビーユーザー向けアプローチを考えたら結果、
サービスに行き着いちゃった。

これって凄い面白い現象だなぁと思うわけです。
ネスカフェのアンバサダープログラムも同じような発想かもしれない。

 

同じような発想で、
製品→コンテンツ、と置き換えると。
金曜ロードショーラピュタなんかも同じにおいがしますね。

今回の「バルスまであと●●秒」みたいなのは白けたひともたくさんいるみたいだけど。

もともとは、ソーシャルメディアマーケティングとオウンドメディア活用の文脈で、
販促の意味合いでネットを使っていたはずなのだけれど。
気づいたら、コンテンツ自体にコミュニケーションハブとしての役割を持たせる事で
その価値をあげようとした、という見方も出来る。

その意図は無くてもね。

 

まとめ

というわけで、3つ目が特に面白いなぁと思っただけなのだけれど。
別に製品のサービス化って構えて考えなくても、
意外とちょっと見方を変えるだけで、
社内に商品の付加価値を上げるための資産ってあるのかもしれないですよ。

縦割りからちょっと外れて横の部署見てみるとね。

ということで、マーケ系の僕としては3つ目で何か新しい事できないかどうか考えたいなぁと思います。

 

 

この記事はちゃんと細切れじゃなくて2800文字以上書いたよ!