データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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au walletのデータ戦略が凄い。

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au WALLET(au ウォレット)ポイントの仕組み・還元率・貯め方・使い方のガイド - ノマド的節約術

 

既に話題のau wallet。
100万人超えたとか200万とかなんとかよくわからんけどめっちゃ人気みたいですね。

これ、何が凄くて何が新しいのか、何が今までの電子マネーと違うのか、よーわからんとこあったのだけど。
auがやる、ということ自体がいろいろな所に影響を与えそうなので、少し考えてみる。

 

実は、決済市場って2014年度後半くらいから競争が激化する見通しはあったのだけど、
au walletの登場によって、おそらく一気に戦況が決まるんですね。

 

とりあえずau walletの特徴から。

 

◆ポイントがつく

まずやっぱ違うのはここだろうねぇ。
Edyにもsuicaにもポイントは無かったけど、電子マネーのくせにポイントがつく、というのは非常に強い。
やはりキャリアの体力の為せる力技のような感じもある。
(IDはポイントつくけど決定的に普及に失敗したので問題外かな。)

◆携帯代と一緒に引き落としが出来る

これも考え方次第だけど、非常に良い。
auショップでの現金チャージもできて、銀行からのチャージもクレジットからのチャージもできる、
ここまでは他の電子マネーにもあるけど、
携帯代と一緒に払う、というのは意外と便利かもしれない。
管理的な意味で。

 

とまぁ、便利、とか、お得、という視点で語ると、
ポイント+引き落とし、くらいなのだけど。

 

◆店舗側の視点

店舗側が今まで電子マネー導入しようと思うと、当然だけど手数料がかかる。
これが結構痛くて、それゆえにあまり普及しなかった、というのも背景としてある。
ここでauがすごいのは、auスマートパスで得た収益を店舗への支援に使う、という構造を創りだした所。
結果的に、店舗側への導入障壁がかなり低くなるので、普及がしやすい。

 

ビッグデータ文脈。

ビッグデータという文脈で考えた時にやっぱり凄い。

ビッグデータという言葉に関しては色々議論されてきているけど、
その中で最も価値の高いデータの一つが、「購買データ」であることは間違いない。

 

なぜなら、結局データを使って何をしたいか、というと、
マーケティングだったり顧客の分析という文脈が非常に強い。
いくらwebの行動ログ分析したところで、
結局その中で誰が商品買ったんだっけ、って、
"ネット上で物を買う人"のことしかわからないんですよね。

 

で、購買データを持ってるプレイヤーって結構限られてて、
・店舗の人
・共通ポイントカード(Tポイント,ponta)
・ECの人
あたりだけだった。
そこにauがwalletという形で食い込んだ。

もう少しわかりやすく言うと、softbank ✕ Tポイント(✕ Yahoo!JAPAN)の陣営に、
自らがポイントと決済を持って切り込んだ形になる。

 

で、あまりここの部分を記事にしてるとこないんだけどさ。

DMP」も本格化してる。

DMP(data management platform)って、何かっていったら、あらゆるデータを集めるプラットフォームの事。
あらゆるデータを1箇所に集めて分析して、広告とかに使うことができる。

DMPって広告の人たちにしてみたら凄く今トレンドで、
どこの会社もこぞってデータをDMPを作ってデータを集めようとしてるんだけど。
auのDMPには「購買データ」という滅茶苦茶価値の高いデータが含まれることになる。

その価値の高い購買データに加えて、ネット上のポータルやサービスを作るという事もしていて、そこでもデータを集めようとしている。

まさにYahoo!JAPANに真っ向から対抗する戦略なわけです。

ネット広告の覇者Yahoo!スマホの世界でイマイチ奮わないのはご存知のとおりですけれども。
そこにスマホ✕データ✕広告という分野で戦いを挑まれたらsoftbankグループには中々に辛い環境。

 

au wallet構想が成功するか否か

wallet構想が成功するかという事を考えると、まずはwalletを使える店が増えるかどうか、に依ると思うんですよね。
今のところ使える店舗ってセブン-イレブンとかマツキヨとか、消費財系が大半。
消費財系の購買データって、数は多いけど、嗜好性が見えてこないので、
イマイチ広告とかマーケに活かしづらいデータだったりする。
ということで、この辺りの消費財購買データに加え、如何に"尖った"データを増やせるか、が一つの鍵になる。

 

◆他社がどうするか考えてみる

当然だけど各社が黙って指を加えてるとは思わない。
softbankグループがリアル決済を取りに来るのは時間の問題だとして、
(docomoはiD持ってるけどいまちち普及してないし多分今後も普及しないんだろうなぁ)
リクルートの動きなんかも気になる。
リクルートが2015年にpontaとポイント統合する、クレジットカード発行する、
という動きはあるけど、
HOT PEPPERとかを持ってるところなので、
リアル決済ビジネスを行いたいだろうことは間違いない。

もちろん真っ向勝負のnanacoが利用範囲を拡大で対抗したいのも明らかだし。

そういう中で交通系の価値が希薄になった時に、どういう動きが出るのか。

楽天経済圏はネットに閉じていても大丈夫なのか。

 

とまぁ、実はこの、

決済✕ポイント✕データ

って今めちゃめちゃ混戦状態なんだけど、
決済に関してはどれだけ一気に普及させるかが勝負なので、
おそらく既に"失敗"したedy、IDはこれから先も普及せず、
aunanacosoftbankくらいに集約されるのではないかなぁと思っている。

softbankが如何にYahoo!で持ってるEC系と広告系の資産とTポイントを利用できるかが鍵になるか、
という感じになるのですかねぇ。

逆に、リアル決済を上手く使えばEC革命を起こした後のYahooが中々上手くいくような気もしているが、
如何せん、softbank Yahoo CCC(Tポイント)とそれぞれ別会社になっているので。
そのあたりでスピード感が損なわれなければいいですね。

 

あとクレジットカード死へのカウントダウンが始まってしまったので、
その辺の動きも気になる所存。

 

書き疲れたのでこの辺で。