データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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目的と目標と手段。

<まえがき。> 何かリクエストがあったので少し書きましょう、目的と手段の混同、というテーマで書こうかと思ったんだけど。以前、facebook上で昔の友人が書いていたし、何か同じ事書くのもなーとか思って、ちょっと変えてみる。

これも、こないだ書いたこの記事と同じで、先日お説教をした友人との会話の中で改めて見えた事があったので、書いてみましょうかと。

 

<辞書的意味>

目的・・・実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。

目標・・・行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。

手段・・・ある事を実現させるためにとる方法。

と。さてさて、少し追加でこの辺も調べておきましょうか。

 水準・・・事物の一定の標準。価値・能力などを定めるときの標準となる程度。

  標準・・・判断のよりどころや行動の目安となるもの。

こんなもんでよろしいかしらね。

 

<つまりだよ。>
目的は、ゴールだ。目的というのは実現したい事、だ。この言葉自体は抽象的、色々解釈はできるが。「行動」という単語を基準にして見てみると、

目的=行動のねらい

目標=行動の目安

手段=行動

と、解釈することができる。少し言い換えてみると、

目的=行動のねらい=何のために?どうなる為に?(What for?/What to be?)

目標=行動の目安=どの程度?いつまで?(How enough?/until)

手段=行動=どうやって?(How?)

ということである。と言える。

 

<だからどうした>
「手段と目的の混同」という事態が良く起こる。そして得てしてそれは、手段が目的になってしまう形で起こる。

 ー例1.ー
例えば、「PV(Page view)数を上げる」事が目的になってしまうウェブサービスがある。より多くの人に見てもらうのが目的になっている。個人でやっている場合は良いかもしれない。しかし、事業でやる場合は別だ。あくまでPV数を上げる、というのはそのサービスで「利益を上げるための手段」である。「利益を上げる」という事を目的に置くと、その手段はPV数だけでなく、例えば「有料サービスの加入率を上げる」という手段が生まれる。例えば「滞在時間を上げる」という手段が生まれる。凄く単純な事実だが、PV数を上げる事を目的に置いているうちは出てこない発想だ。

 

ー例2.ー
例えば、視聴率を上げるのがテレビの目的になっている。メディアとしてのテレビのあるべき姿、というのは一旦置いておくにしても。視聴率が上がると利益が上がる、というのはロジカルなようでロジカルではない。8時台、ゴールデンタイムのバラエティに比べて、カンブリア宮殿(テレ東)は遥かにCMの効果が高いと言われている。視聴率では無く、顧客、すなわち視聴者の質が違う。視聴率を上げるのではなく、優良顧客を獲得する、という事を目的にする方が正しいのかもしれない。

 

 つまり。手段と目的を混同すると、本当に見るべき指標を見失う事が往々にしてある。

 

<じゃあどうすればいいのよ>
具体的に方法を述べよう。基本的にはブレイクダウンによるピラミッド構造を作る事が誰にもわかりやすい。

上の例1で述べると、

【目的①】利益を上げる
 ー【手段1】PV数を上げる 
 ー【手段2】有料会員を増やす
 ー【手段3】滞在時間を上げる

という構造になる。そこから例えば手段1を選ぶとしたら、今度は手段1を目的として手段を考える。

【目的②】PV数を上げるー
 ー【手段1】コンテンツの量を増やす
 ー【手段2】UIを改善する

と、いう感じ。出来る限り細かく区切る。細かく区切る事で見えてくるものがある。

 

<目標の使い方>
さて。これだけではなんだかぱっとしませんね。というのは、そもそも目的が曖昧だからなんですよ。上のだと。そこで「目標さん」の登場です。目標っていうのは、上に書いたように「どの程度」「いつまでに」という指標ですね。これを用いて上のを少し手直しするとこうなります。

【目的①】3ヶ月後までに利益を100万円上げる
 ー【手段1】3ヶ月後までに1日あたりPV数を1000上げる
 ー【手段2】3ヶ月後までに有料会員を2000人増やす
 ー【手段3】3ヶ月後までに1人あたりの1日の滞在時間を30分上げる 

ほらなんだか架空の事業が現実味を帯びてきた。これが目標を決めるということ。目標を決める前のを見なおしてみると一目瞭然。そうするとどうなるのか。それぞれの手段の「実現可能性」とか「コストパフォーマンス」とか、そういう視点で議論が出来る状態になる。

 この時に注意しないといけないのは、「いつまでに」というのを必ず明示すること。

だって、「1年後までに100万円貯金する」のと「60歳までに100万円貯金する」のと、全然違うじゃない、手段が。目標額は一緒でも、「いつまでに」やるかで全然違う手段が見えてくる。だから目標を設定する為には必ず、「いつまでに」「どれだけ」の2点を決めなきゃならない。

 

<重要なこともう一つ>
目的は必ず「1つでなければならない」ということ。いっぱい作るとブレイクダウンが出来ないから。この一つは何か外的要因によって決まるものではなくて、自分で「決める」もの。別にいいんですよ、「俺頭いいし器用だから目的沢山作って全部一気に考えて最適な手段導き出してやる」って人は。そんな人はこんなとこ読まなくていいから早く日本を何か全体的にどうにかしてくれ。

いるんですよねー、大してモテないくせにあちこちの女の子に声かけて結局ひとりも口説き落とせない奴。

二兎を追う者は一兎をも得ず、ってやつですよ。まず1匹捕まえようよ。2匹目はその後でいいじゃんね。ってこと。

でさ、最終的にブレイクダウンしていくと、今すぐ行動できる所まで落ちてくるんですよね、自然に。そうなったらしめたもの。そしたらあとは実行するだけ。

 

<あとがき>
 この思考って、別に毎回緻密にやるものでも無いとは思うんですよ。でも、得てして、「どうしていいのかわからない=手段がわからない」時には、目的の所からずれていたりするわけです。だから一旦「そもそも目的なんだっけ?」ってところに立ち返ってみるのは、手段を明確にする上では役立つはずなんですよね。役立つよ。むしろ役立てよ。ここまで時間かけて書いたんだ、役立て。

 

って言うことをこないだのお説教で言いたかっただけなんだよな〜〜〜。わかってもらえなかったけど。悲しい。