【読書記録】統計学が最強の学問である
- 作者: 西内啓
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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3日連続読書記録。
<はじめに。>
2013年度、研究室の後輩に読ませたい本ランキング1位を獲得しました。
<中身>
センセーショナルなタイトルとは裏腹に、非常にわかりやすく且つ網羅的。導入からまとめまで、エンターテイメントのような綺麗な本。とは言い過ぎだろうか。統計を勉強した人にも、これから勉強する人にも使える1冊。
<詳細>
例のごとく幾つか思ったことを挙げながら。
1.とにかく読みやすい。
表面を撫でるだけの本でもない、かと言って計算式を並べ立ててごちゃごちゃやるわけでもない。「考え方」と「それを用いた事例」を述べるという事を、統計学の歴史と共に追っていく構成。得意な人も苦手な人も。一度は読んでみて損は無い。
2.タイトルに対して。
中身は非常に網羅的というか俯瞰的というか。それぞれの手法に対して、「こういう場所で使える」「けどこういう反論はある」とか「こういう限界がある」とか、そういう所まできっちり述べられている。統計を盲信するタイプの本かと思ったらそんな事ない。論文みたいな論理展開がきっちりなされている。何本もの論文とか教科書を噛み砕いて説明してくれてる感じ。
3.データマイニング、あとビッグデータ。
この辺についても結構触れられている。やはりこの辺に関わる人間に統計の知識は必要不可欠だと思うし、それは直接扱う技術者だけじゃなくて、アプリケーションレベルで利用する人たちも含めて。というか統計という共通言語があればすっきりするだろうなぁ、何かと。
4.どうでもいいけど。
データマイニングからテキストマイニングには発展したけど、イメージマイニングとかサウンドマイニングみたいな部分ってあんま確立されてないというか考えられてもいないよなーなんて思ったりする。まぁテキストもまだ発展途上だしっていうのはあるけれども。後々発展していくのかなーなんて。そうなるとまた、コンテンツ周りでビジネスの匂いがするよなーとか。
5.ロジックの強さ。
のひとつの要素だと思う、確率とか統計の分野って。フェルミ推定とかも基本的にはMECEで割合を分割していくものじゃないですか。で、その割合をさらに確率的な話に持って行くと統計に行き着くわけじゃないですか。ロジックを鍛える為の手段の一つとして統計ってかなり有効性高いんだろうな、と思ったのよね。
<まとめ>
後輩たちには是非読んでほしい。多分損はしないと思う。人生を変える本ではない。人生を強化する本、という感じ。表紙にも「データ社会を生き抜くための武器と教養」と書いてあるけれど。まさに武器。そしてそれが「武器であること」を教えてくれる本。という感じ。
<どうでもいい追記>
結構俺、他人に「ロジカル」と言われる事って多々あるんだけど。昔から。 で、ちょっと思い返してみた所、割と、確率とか統計とか好きだし得意なんだよね。で、その辺の思考って結構ロジカルシンキングとかクリティカルシンキングとか、そういう思考の「地」の部分に結構関わってくると思ったりなんかして。地頭力的な。だからまぁ勉強して損は無いんだろうなーって漠然と思う今日このごろ。とりあえず多変量解析を勉強したい所存。