データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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【読書記録】仮説思考

 

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

 

 はい。定番のやつ。何気に初めて。

 

読んでみて感想は、一言で言うなら、イシューからはじめよにすごい似てるな、っていう。

 

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 

 こっちのが後の出版なので、イシューからはじめよ、が仮説思考に似ているのかもしれない。

 

ようするにどちらも同じで、いかにして作業量を減らすか、知的生産を効率的に行うか、ということを書いている。前者がBCG、後者はマッキンゼー。コンサル的な思考法を追求していくと、ある程度似たようなところに落ち着いていくのだろう。

 

効率的に作業をする、生産性を上げるというのはシンプルに、outputの価値を上げるか、inputの価値を下げるしかないわけで。仮説思考は特に、inputを効率よく下げていく方法について書かれている。

 

一言で言ってしまえば、何かを検討する時に、検討する意味のあるものから順に、あるいはインパクトの大きいものから順に検討しなさい、というだけである。全領域を検討するのではなく、局所的に検討する。今書きながら思ったんだけど、最適化アルゴリズムみたいなイメージかも。遺伝的アルゴリズムとかみたいな。局所探索。

 

で、その局所を見つけるために、仮説を立てましょう、という話。あるいは、仮説をたてることで、局所が見つかるようになります、という事でもある。

 

個人的には、結構こういう思考回路をたどることは多くて、(仮説を立てる、というよりも妄想する、という言葉の方がしっくり来るけど)選択肢によって将来何が動くのか、という妄想を掻き立てるのは結構楽しかったりする。というのと、イシューからはじめよに似てるな、と思ってしまったので、この本を読んで腑に落ちる、とか勉強になる、とかよりも、まあ当たり前だよね、という感想になってしまった。

 

またそのうち読み返そうと思うよ。

【読書記録】確率思考の戦略論

 

確率思考の戦略論  USJでも実証された数学マーケティングの力

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

 はい、今更ですが読みました。

 

タイトルの通り、USJの成功事例なのだけれど、バックグラウンドは2名ともP&Gグローバルで需要予測をしていた人たち。どちらかというと、そういう、消費財みたいなものに結構向いた手法な気がする。僕らテックサービス系だとどうやって落とし込めばいいのだろう、、とちょっと悩む。

 

中身は戦略論、、、と言いつつも、需要予測をどうやるか、その結果どうなるのか、とう話の方が印象に残る。ちゃんとビジネス書、という体裁を為していながらも、数学的な、というか統計的なものをきっちり式も省略せずに記載している、という点ではかなり稀有な本だと思う。

 

予測手法自体は、「似た市場のデータを集める」「数理モデル(NBDモデル)」を使う、というあたりが書かれていて、結構後者の説明に比重が置かれている。個人的には数理モデルがすごい、というよりは、必要なデータを集めてくるスキルのほうがすごいなあと思ったり。

 

流行りの"びっぐでーた"とか"えーあい"どやあ的な本ではなくて、機械学習のきの字もでてこない感じ。むしろ硬派な統計を如何に読みやすくとっつきやすいところに落とし込むか、、、という方向で好感が持てます。確率と統計ができないくせに人工知能を語るな派です。

 

ということで、ビジネスの世界とサイエンス・テックの世界をつなぐ本としては結構現実的で良い本なのではないかなーと思いましたとさ。

【読書記録】銀行はこれからどうなるのか

 

銀行はこれからどうなるのか

銀行はこれからどうなるのか

 

 2018年1冊目。

 

10月くらいから銀行に関わる仕事をしているのだけれど。銀行ビジネスってあんましっくり来てなかったので、とりあえず1冊なんか読もうと思って引いたのがこれ。結果的には、これを1冊目に引いたのは正解だったと思う。

 

著者は証券系のアナリスト。アナリスト的な視点で、銀行を分析しつつ、将来の銀行のあるべき姿について語っている。証券系アナリストの視点なので、ちゃんと財務諸表を読み込んで分析するところからやっているのが結構良い。地に足の着いた感じで。

 

個人的には、銀行の人からばらばらと聞いていた内情とか、市場環境とか、課題感みたいなものが、この本を読んだことによって1本の線が繋がったというか、一本ちゃんと筋が通ったというか、柱が立ったようなイメージ。やっぱりちゃんとまとまって整理された情報を得ておくのは有用ですね。

 

結構いろいろな視点でこまかく分析されていて、地銀とメガバンの環境の違いとか、銀行だけじゃなくテック系企業の進出とか、そういう部分もちゃんと言及されていて。自分が今後何をしていかなければいけないのか、それはなぜなのか、というところで腑に落ちてくるような感覚があったのは収穫でした。

 

若干物足りなかったのは、もう少し、銀行の内部の人が何を考えているのか、という生の声が全くなかったところかな。まあこの本に求めるというよりは他のところを探さないとな、って感じ。肩書付いた人よりも、現場の下っ端の声をちゃんと聞きたいんだけど良い情報ソースあるかねえ。

 

誰におすすめしたら良いのかはわからないけど、結構個人的には役に立った本でした。