データエンハンサーの戯言置き場

データサイエンティストを挫折した人がデータとアナリシスのエンハンスメントについて考える

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自己紹介

某インターネット企業にてデータアナリストを経てデータサイエンティストになれず、データエンハンサー(自称)、アナリシスエンハンサー(自称)をやっております。 ブログの内容は個人の意見・見解であり、所属組織の意見・見解とは異なる事があります。




データエンハンサーとは

自称です。

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【読書記録】売れるロジックの見つけ方

 

マーケッターとデータサイエンティストが語る  売れるロジックの見つけ方

マーケッターとデータサイエンティストが語る 売れるロジックの見つけ方

 

 何か、昔デジタルマーケ系のセミナーに行った時に、抽選で貰った本です。確か、山本覚さんが登壇していた。貰ったきり、積んであったのを消費した形。

 

後藤一喜さんという人は顔と名前が一致しないので詳しいことはわからないのだけれど。山本さんは結構メディアとかでもちょいちょい見るし、Twittrerもフォローしておりますが。LPOツールで有名な、データアーティストの社長さん。ババアのところでクッキー焼いてた時に、バナー広告をよく見た記憶がある。

 

前半は後藤さんのパートで、行動経済学的な観点からマーケティングを捉えて語っており、この行動経済学的なマーケティングのソリューションとして、LPOが適切である、という話につなげていく。

後半担当の山本さんは、国内における人工知能の第一人者として知られる、松尾先生の研究室出身(だった気がする)だけあって、この本の内容も、統計的なところに踏み込みながら理屈で解説していき、最後は具体的な手法にまで踏み込んでいく。

 

胡散臭いタイトルの本だな、、、と思いながら読んだのだけれど、中身は結構ガチガチの理論&実践本で、思ったよりは勉強になった感じです。とは言え山本さんのポジショントークも多少交えなければいけないのでLPOも紹介するよ、という感じではあるのだけれど。考え方自体はLPOに限った話ではなく、もっと広く応用できるし、されるべきものですね。

 

個人的にはあくまで広告を中心としたデータビジネスが本業なので、LPOをやりつつも、集客文脈とうまく結びつけながら考えていきたいところであります。

生産性を上げるにはまず継続的な改善を。

さて。ここ数日、社内ニートをやっております。私です。生産性ゼロです。お賃金はいつもどおりなのでこれを勝ち組というのでしょう。仕事をくれ。

 

なぜ社内ニートをやってるのかという話はしないのですけど。暇すぎるので、ひたすら色々な記事を読みふけるという、スーパーインプットタイムに使っている今日このごろです。メリークリスマス。ということでそんな中で考えていた生産性の話。

 

よくあるのが、生産性改善のために、ツールだけ導入するパターン。得てしてツールベンダーというのは、「こんなに便利になります」「こんなに効率的になります」というプレゼンをするわけです。で、それを聞いた決済権のある偉い人が導入を決めるわけです。そこまでは良いんですよ。でも、実際活用する現場に浸透させる、というところまでやらないパターン。ありがちですよね。

 

これって、ツールがどうとかっていうよりも、その導入効果を検証して、工夫をしながら継続的に活用方法を改善していく、ということをしないと意味がないわけですよ。アクセス解析ツールとか8割位こういう状況じゃないかと。

 

なんでそんな事が起こるかって言うと、ツール導入を決める人間と、活用方法を考える人間が別の人になってる、とか。新しいものの導入は評価されるけど、継続的な活用が評価されにくい、とか。新しい事をどんどんやろうとするあまりに既存のものがおざなりになる、とか。

 

その原因を更に深掘りしていくと、経営スタイルとして、0→1みたいな新規事業は評価されやすい、短期的な利益目標の達成(100→110)は評価されやすい、けど継続的な改善活動のようなものが知識産業のあたりでは評価されにくいんですよ。これ、日本は「カイゼン」が得意だ、って思ってる人たくさんいると思うんだけど、意外とそうでもないな、って思うんです。

 

カイゼン」が得意なのって、メーカーの生産現場だけなんですよね。ホワイトカラーの効率化は滅茶苦茶下手くそなんですよ。なぜなら評価されないから。0→1は評価される(新しいことをやればいい)、100→110も評価される(わかりやすいKPIだけ決めればいい)、けど、1→100(ビジネスのビジョンを描いて、目標を決めて形にしていく)というところが足りていない。

 

で、なぜ足りていないのかっていうと、効果検証とか評価を真面目にやらないからですよね。0→1で満足する。ツールを導入して満足する、新しいものを作って満足する。アプリ作って満足しちゃう会社とかいっぱいあるんだよね。アプリ作って、あとはiOSのアップデートのせいでバグが出るまでは放置。

 

当然、こういう資産って棚卸しが必要なので、どこかのタイミングで降ろされるわけですよ。「使われてないから」っていう理由で。当然ですよ、だれも使われるように改善していかないから。誰にも使われる事なく、コスト削減のタイミングで削られる。

 

あと、ジョブローテで導入した責任者がいなくなるとその途端に誰も使わなくなる、っていうのもありますね。ジョブローテの弊害について、未だに何も考えていない会社は多いんじゃないかな。人事って結構、無能がなりたがるイメージあるけど、人事ほど有能な人間いれないとだめだよね。

 

ということで、新しいものを生み出すとかどうとかいうのも当然大事なんだけど、今あるものをちゃんと検証して評価して改善していく、という活動は必要ですよ。そしてそれを評価しなければならない。特にホワイトカラーにとって。

 

という話。長くなったからあんまきれいにまとまらないけど駄文おしまい。もう少し頭のなかでまとめていこうと思うよ。

【読書記録】シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

   今更ですが。 

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

 

 ビッグデータブームの火付け役、ネイト・シルバーの本。実は初読。今更。

 

中身は、データから何かを予測する、という事ができるのかできないのか。どういう分野ならできてどういう分野ならできないのか。いろんな分野にまたがって、「予測」というものを解説する本。

 

例えば比較的うまくいっているのが天気の予測。天気予報は多くの人が朝見て、今日の天気を確認すると思うんだけど。それは予測がうまくいっている事例。うまくいくのは意味のあるデータ、すなわちシグナルが豊富だから。逆にうまくいっていないものも当然あって、地震予測とか経済予測とか、テロの予測とか。

 

この中には、3.11の話も9.11の話もリーマンショックの話も含まれている。あとポーカーの話と、チェスの話と。9.11とかリーマンは、後から振り返れば確かに起こりそうなシグナルはあった、けど事前にそれを察知するのはとてつもなく難しかったのではないか、とか。

 

ひたすらに確率と予測の事例を並べ立てていて、比較的平易で読みやすいとは思う。めちゃくちゃ事例が豊富なので、1冊で結構読み応えあり。kindleで読んだんだけど、最初ページ数みたとき「うわ・・・」って思った。今年読んだ中で、一番長かった本でもある。

 

個人的には、序盤の、「みんなシグナルを探したがるが、ノイズの量はあまり考慮しない」という話はぐっと来るものがあるよね。ビジネスに役立てるためにひたすらに小さなシグナルでも良いから探したがるんだけど。(特にいわゆるビッグデータを扱ってると)実際そんなうまいことシグナルは見つからないのですよ。平均値はみんな見たがるけど、ばらつきはちゃんと分析されないんだよね。

 

とりあえずデータビジネスに関わる人間は全員教養として読むべき本であることは間違い無いよね。データの見えざる手と並んで必修科目である。4年遅れで単位をようやく取りましたよ私は。良書です。1年後くらいにもっかい読みたい。