【読書記録】コトラー マーケティングの未来と日本
コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか
- 作者: フィリップ・コトラー,鳥山正博,大野和基
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
はい久しぶり。本を別に読んでないわけではないのだけど、こうやって記事にするほどでもねーな、っていう感じの本ばっかりだったのでブログにまでは書いていない感じ。そのうちまとめて公開します。
で、この本の話。私、マーケの仕事してるのにコトラーを読んだことが無いという恥ずかしいタイプの人間だったのですけど、ようやく初コトラーを読みまして。初コトラーがこれで良かったし悪かったなぁという感想であります。
どちらかと言うとコトラー=マーケティングの神様というイメージなので、日本企業のマーケティングの手法だったり事例を海外企業と比較しながら語ってくれるのかなぁと思って買ってみたんだけど何か思ってたのと違っていたので割と残念な気持ちでした。
中身は、1/3がコトラーの自己紹介、1/3がマーケティングの概論、1/3が社会と経済の話、というくらいの感覚でした。あんまり印象に残る部分が無かったなぁという感じ。
一番印象的というか、考えなければいけないのはマーケティング1.0~4.0までの流れというか、進化というか、単なるステップなのかもしれないけど、この4つの概念かなぁと。特に4.0は自己実現のためのマーケティングが重要、という話で。単なる利便性やイメージ戦略だけじゃなく、それによってどういう人生が実現できるのかという更に上位に向かっている、という話は納得感もあるし同時に興味深いところ。
マーケティング4.0について初めて語られた本、という事で、その部分では読む価値あると思うんだけど、一方で1-3について自分がちゃんと理解していないのと、この本自体が4.0を語るための本では無いのでとても残念な感じがする。
今後きっと4.0を語るための本を出してくれると信じて、その時にはまたちゃんと読もうかと思います。あとマーケティングマネジメントとかもちゃんと読まなきゃなって思う所存。
【読書記録】「原因と結果」の経済学
薦められたので読んでみましたやつ。
データ分析の入門書としてはとても良いやつ、という感じです。著者は教育分析の専門家の中室先生と医療分析の専門家の津川先生(@yusuke_tsugawa)。統計的因果推論をちゃんと勉強しようと思っていたところ、これを読んどくといいよ、とTwitter上で薦められ、そのやり取りを津川先生にふぁぼられた挙句フォローまでしていただいたので読まざるをえなくなったのが最初。
中身は数字とか計算のほとんどない、どちらかというとグラフの読み方としてこう読むのが正しい、というのが書かれている感じ。「分析とは比較である」というのはヤフーの安宅さん(@kaz_ataka)の著書/記事には高確率で出て来る言葉だけれど(これとかこれとか)、じゃあ比較とはどういうことか、何と何をどう比較するのが正しいのか?がとてもわかりやすく解説されている。
実際に分析の現場にいると、この何と何をどう比較するかという「分析設計」の部分というのは結構素養に差があるといいますか。ちゃんと論理立てて組み立てられる人とそうじゃない人の差って思っている以上にあるんですよね。その「そうじゃない人」をある一定のレベルに押し上げるために、結構良い本なのではないかなぁと思います。
逆に、ある程度そういう現場で活躍している人からすると当たり前というか、物足りなさみたいなものはあるかもしれない。ので、まあ確認程度に流し読む、という読み方になるのかもしれない。自分的には自分の分析の正しさを確認しつつ、これをどうやって周りに伝えるかを考える本になりましたね。
最近色んな本読んでて思ってるんだけどやっぱちゃんとした学者さんの書いた本は質が高いので読んでて勉強になることは多くて良いですね。良書です。
【読書記録】データサイエンス超入門
データサイエンス超入門 ビジネスで役立つ「統計学」の本当の活かし方
- 作者: 工藤卓哉,保科学世
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/11/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
読みました。あんまりオススメはしないやつ、って感じですね。
作者はアクセンチュア等々でデータサイエンスを仕事にしていた人。感想を一言で言うなら、「帯に短し襷に長し」という感じ。あえて悪い言い方をするなら、「学者の真似事をしているビジネスパーソンが書いた本」。
データサイエンス、統計、機械学習といったバズワード的になっているものを体系的に整理しようとしているんだけれど。そして実際に整理されているのだけれど。この体系が、どこかの組織で作られたものの引用なのか、「アクセンチュアではこう考えている」なのか、「筆者の持論」なのか。その辺が明確にされていないので、どこからどこまでを信頼していいのか、があまりよくわからない感じ。
あと、突然論理展開が超飛躍するところがあって、とてもポエミー。サイエンスを語るはずの本で論理の飛躍は致命的な気がするけどね。持論を語る本なのか、事例を語る本なのか、研究結果を語る本なのか、その辺がはっきりしないのでとてももったいないという感じ。きっと何かを紹介するのが目的なのだけれど、何を紹介したいのかわからないのですよね。なのであまりオススメはしない感じ。
一方で、統計的な"手法"とかは網羅されているようにも見えるので、この中から手法と事例だけかいつまんで学べるとこを探す、みたいな読み方をするのが良いのかなーと思います。入門書的なものを読んだのは初めてだったので他のと比較しようが無いんだけど、入門書のようなものを書くのは難しいのかもしれない。データサイエンスの入門って統計学の応用とかになっちゃいそうな気もするし。
いずれにせよ、もう少しいい本がきっとあるはずなので探したい所存。